インスタグラムのコメント欄が炎上状態だ。ベシクタシュのファンたちが、ジェイドン・サンチョの投稿に殺到し、愛の告白とも言える移籍懇願を繰り返している。その数、実に540万件超。しかし、25歳のイングランド代表ウィンガーが下した決断は、トルコの熱狂的サポーターたちにとって冷や水を浴びせるものだった。
サンチョの選択、なぜベシクタシュを拒否したのか
ドイツのサッカージャーナリスト、パトリック・ベルガー氏が明かしたところによると、ベシクタシュは正式にサンチョへのアプローチを行い、移籍の可能性を打診していた。オーレ・グンナー・スールシャールという馴染みのある指揮官のもとでの再出発は、一見魅力的な選択肢に映ったかもしれない。
🦅⚫️⚪️ Beşiktaş have inquired about Jadon Sancho (25/🏴) and sounded out a potential move, @Besiktas fans keep dreaming – but the player has REJECTED for now, not ready to join the Turkish Süper Lig. 🇹🇷
— Patrick Berger (@berger_pj) August 13, 2025
Juventus and Dortmund remain in the mix, though the #BVB talks have cooled…
だが、サンチョは現段階でトルコ・スュペル・リーグへの移籍を望んでいない。彼のキャリア設計における明確な意思表示を行なった格好。マンチェスター・ユナイテッドでエリック・テン・ハフとの確執を経験し、チェルシーでのローン期間も思うような結果を残せなかった彼にとって、次の一手は慎重に選ばなければならない。
サンチョがベシクタシュを拒否した背景には、ヨーロッパのトップリーグでの復活への強い意志がある。ドルトムントで見せた才能を再び開花させるためには、プレミアリーグ、セリエA、ブンデスリーガといった舞台が不可欠だと彼は考えているのだろう。
ユヴェントス、ドルトムント、ローマ…複雑化する移籍劇
一方で、サンチョの優先候補として挙がっていたユベントスとの交渉は、想像以上に難航している。フランシスコ・コンセイソンとニコ・ゴンサレスの獲得により、ヴェッキア・シニョーラの攻撃陣は既に過密状態だ。ダミアン・コモッリGMは攻撃的選手の放出が先決だと明言しており、サンチョ獲得には時間がかかりそうだ。
興味深いことに、ボルシア・ドルトムントとの交渉も最近冷え込んでいるという。かつてサンチョが黄金期を過ごしたジグナル・イドゥナ・パルクへの復帰は、ファンにとってロマンあふれる選択肢だったが、現実的な障壁が立ちはだかっている。報酬面での条件調整が主な課題となっているようだ。
そんな中、新たな選択肢として浮上したのがローマだ。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督がサンチョを高く評価しており、詳細な調査を行っているという。ローマは移籍金1500万ポンド、年俸600万ポンドという具体的な条件まで把握しており、本格的な獲得に乗り出す可能性が高い。
マンチェスター・ユナイテッドとしても、ルベン・アモリム体制下でサンチョの居場所はない。クラブは完全移籍による資金回収を望んでおり、移籍期限が迫る中での決着が期待される。
個人的な見解
個人的には、サンチョのベシクタシュ拒否は賢明な判断だと考える。確かにトルコリーグは近年レベルアップが著しく、オシムヘンやサネといったビッグネームが移籍している。しかし、サンチョはまだ25歳という若さで、イングランド代表復帰という大きな目標を抱えている。この重要な時期にヨーロッパトップリーグから離れることは、長期的にはマイナスに働く可能性が高い。
むしろ注目すべきは、ローマという新たな選択肢の出現。セリエAは戦術的に高度で、技術重視のリーグとして知られている。ガスペリーニのもとでプレーすることは、サンチョのキャリアにとって大きなプラスになるだろう。
ドルトムント時代の輝きを取り戻すには、新しい環境でのチャレンジこそが必要なのかもしれない。移籍期限まで残り少ないが、サンチョの次なる舞台がどこになるのか、引き続き注目していきたい。