エベレチ・エゼの移籍先が急速にトッテナムへと傾いている。ファブリツィオ・ロマーノが8月14日に投稿した情報によると、スパーズはクリスタルパレスとの正式交渉開始に向けて準備を整えており、エゼ自身もトッテナム移籍に前向きな姿勢を示していることが確認された。
🚨⚪️ Tottenham are prepared to open formal talks with Crystal Palace for Eberechi Eze.
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) August 14, 2025
The plan to return to the table reported two days ago, 100% confirmed.
…and also confirmed that Eze would be keen on #THFC move, if the two clubs can agree on fee. pic.twitter.com/PGPkgQg2Yx
27歳のエゼは現在クリスタルパレスと2027年まで契約を結んでおり、6800万ポンドのリリース条項を持っているが、この条項は本日8月15日に失効する予定。トッテナムは既にパレスが要求する移籍金の詳細を把握しており、6000万ポンドを超える金額が基準となるとの情報もある。
相次ぐ主力離脱がもたらしたエゼ獲得加速の背景
トッテナムにとってエゼの獲得は、想像以上に切迫した課題となった。8月3日、韓国で行われたプレシーズンマッチでジェームス・マディソンがACL断裂という悲劇的な負傷を負い、今シーズンの大部分を欠場することが確定した。さらに、10年間クラブの顔として君臨したソン・フンミンが8月2日に退団を発表し、わずか数日後にロサンゼルスFCへの移籍が決まった。
トーマス・フランク新監督にとって、これは就任から2ヶ月という短期間で攻撃陣の主力2人を失うという厳しい現実となった。フランクは6月12日にアンジェ・ポステコグルーの後任として就任し、ヨーロッパリーグ優勝でチャンピオンズリーグ出場権を獲得したチームの指揮を引き継いだが、同時にプレミアリーグで17位という屈辱的な成績の改善という重責も背負っている。
現在トッテナムがアーセナルに対してリードしている状況だという。ガナーズは夏の早い段階からエゼの代理人と接触していたものの、選手獲得に向けた躊躇が見られ、エゼ側も他の選択肢を検討せざるを得ない状況となっている。
エゼの魅力は数字にも表れている。2020年にクイーンズパーク・レンジャーズから移籍して以来、プレミアリーグ146試合で34ゴール23アシストを記録。特に昨シーズンのFAカップ決勝でマンチェスター・シティ相手に決勝ゴールを決めた場面は、プレッシャーに強い選手であることを証明した。
チャンピオンズリーグが決め手となるエゼの心境
エゼはチャンピオンズリーグでのプレーを強く希望しており、ロンドンに残ることも理想的だと考えている。この二つの条件を満たすクラブとして、トッテナムは理想的な移籍先となる。
スパーズでの出場機会についても、アーセナルと比較してより多くのプレー時間を確保できる可能性が高いとされている。アーセナルでは既に確立されたマルティン・ウーデゴールの存在により、エゼが自動的なスターターとなることは難しいかもしれない。
一方、マディソンの長期離脱により攻撃的ミッドフィールダーのポジションが完全に空いているトッテナムでは、即座に主力として活躍する機会が保証されている。
パレスの共同オーナーであるスティーブ・パリッシュもコミュニティシールド後のインタビューで「選手たちがクラブにい続けてくれることを望んでいるが、様子を見るしかない」と語っており、エゼの移籍を完全に否定していない。
この移籍の実現可能性は極めて高い。トッテナムにとってエゼは、フランク新監督が目指す攻撃的なサッカーにおいて中心的な役割を果たす理想的な選手だ。彼のクリエイティビティとゴール能力は、ソンとマディソンの不在で大きく削がれたスパーズの攻撃陣に、新たな息吹をもたらすに違いない。
個人的な見解
この移籍は、トッテナムの再建にとって極めて重要な意味を持つと確信している。
フランク監督の就任から僅か2ヶ月で主力2人を失うという逆境は、通常であれば新監督にとって大きな試練となるはずだ。しかし、これがエゼ獲得への道筋を明確にしたとも考えられる。マディソンとソンの退団がなければ、エゼほどの選手を獲得する緊急性は生まれなかったかもしれない。
フランクの戦術哲学を鑑みれば、エゼのような技術と創造性を兼ね備えた選手は不可欠な存在。ブレントフォード時代に彼が築き上げたアタッキングサッカーをトッテナムで実現するためには、エゼのようなゲームチェンジャーが絶対に必要である。
6800万ポンドという移籍金は決して安価ではないが、現在のプレミアリーグ市場において、エゼクラスの選手を獲得するための適正価格だろう。
最も重要なのは、エゼ自身がトッテナム移籍に積極的であること。選手の意思が明確な移籍は成功する確率が圧倒的に高い。チャンピオンズリーグでプレーしたいという彼の野心と、トッテナムが提供できる環境が完璧に合致している。
アーセナルとの競合はあるものの、現時点でのトッテナムの優位性は揺るがない。この移籍が実現すれば、来シーズンのスパーズは間違いなく見どころ満載のチームに生まれ変わるはずだ。