ルベン・アモリム監督の就任で完全に信頼を失っているカメルーン代表GKアンドレ・オナナ。29歳GKは100試合以上に出場してきたものの、今季はプレミアリーグ出場なし。敗退したリーグカップでフル出場したのみで、チーム内での序列は下降気味だ。
インテル・ミラノから迎えた守護神は、マンチェスター・ユナイテッドで岐路を迎えている。アルタイ・バユンドゥルのみならず、ブライアン・ムベウモ、ベンヤミン・シェシュコ、マテウス・クーニャら攻撃陣を強化すると同時に、移籍期限ギリギリでアントワープからベルギー代表GKセンネ・ラメンスを獲得しており、3番手まで降格した。
唯一の出番となったキャラバオカップのグリムズビー戦では2失点を喫し、信頼を取り戻すには遠いパフォーマンスに終わった。
今のポジションから一歩も引かない意志を示すならば、実戦感覚を取り戻す場を選ぶしかない。オナナはこれまで公式戦102試合で24度の無失点試合を達成し、グローバルにその名を轟かせてきた。
契約は2028年まで残り、クラブ側にはさらに1年間延長するオプションが控えているが、レンタルで定位置を奪回できれば、ユナイテッドでふたたびNO.1GKの座を奪えるかもしれない。
トラブゾンスポルが仕掛ける緊急ゴールキーパー獲得戦略
9月12日まで開くトルコ移籍市場で、トラブゾンスポルは昨季キャプテンのウルジャン・チャキルをガラタサライへ放出。後任候補としてステファン・オルテガに接触したものの、同選手がマンチェスター・シティ残留を決めたことで白羽の矢をオナナに向けた。
トルコ地元メディア『Takvim』は、移籍金ゼロのレンタルでオナナと交渉中と報じており、仮に合意すればサウジ・プロリーグのクラブにも迫られる中での競争を制する形になる。
サウジ市場は9月10日まで新戦力を受け入れられ、オナナには中東からの誘いも届いていると見られる。
ただ、彼自身は旧知の相手に囲まれたプレミアの舞台で再起を図る意向を示しており、トラブゾンスポル行きを受け入れるかどうかは硬い決意が問われる局面。
木曜日の深夜にはクラブ間で最終条件の詰めが行われる見通しで、オナナにはもはや日替わりの噂ではなく、自身の覚悟を示すタイムリミットが迫っている。
個人的な見解
オナナのように一度トップに立った経験を持つ選手ほど、ピッチ上では“もう一度、あの歓声を”と渇望する。控えに甘んじる日々を脱してこそ、本来の彼らの強さがにじみ出る。
トラブゾンスポル行きは、確かにリスクを伴う。しかし、逆風の中で火をくべられた男は、乾いた薪のように熱を増すものだ。ユナイテッドに戻ってからの選択肢を自ら広げるには、今こそ大胆に動くタイミングと私は感じている。