マンチェスター・ユナイテッドが描く中盤革命!来夏にもブライトンMFカルロス・バレバ獲得に動く

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マンチェスター・ユナイテッドが描く中盤革命!来夏にもブライトンMFカルロス・バレバ獲得に動く Brighton & Hove Albion

オールド・トラッフォードのスタンドから見える景色は、今季もまだ完成形には程遠い。ルベン・アモリムが率いるマンチェスター・ユナイテッドは、攻撃の破壊力を増す補強に成功した一方で、中盤の安定感という課題を解決できずにいる。

カゼミーロの衰え、マヌエル・ウガルテの不安定さ、そしてコビー・メイヌーの経験不足。その全てを覆す存在として、クラブが視線を注ぎ続けているのがブライトンのカルロス・バレバだ。

2025年夏の移籍市場では獲得に失敗したが、Fabrizio Romano氏によれば、ユナイテッドは2026年に向けて彼を最優先ターゲットとしてリストに残し続けている。

カルロス・バレバのプレースタイルと進化

バレバは2023年にリールからブライトンへ加入し、わずか2年でプレミアリーグ屈指の万能型MFへと成長した。21歳にしてリーグ戦64試合出場、3得点という数字は一見控えめだが、その影響力は統計以上に大きい。

守備面では、相手の縦パスを遮断する読みの鋭さと、瞬時に距離を詰める加速力が際立つ。タックル成功率は昨季プレミアリーグMF平均を上回り、1試合あたりのボール奪取回数もチームトップクラスを記録した。

攻撃面では、後方からのビルドアップにおいて縦への推進力を発揮する。ワンタッチでの前進パス、相手のプレスを外すターン、そしてドリブルでのライン突破。これらを状況に応じて使い分ける判断力は、年齢を感じさせない成熟度だ。ブライトンのファビアン・ヒュルツェラー監督は、彼を中盤の“心臓”として位置づけ、攻守のトランジションを一手に担わせている。

アモリムの3-4-3システムでは、ブルーノ・フェルナンデスの自由度を最大化するために、その隣に立つMFには守備強度と展開力の両立が求められる。カゼミーロはかつての支配力を維持できず、ウガルテはボール保持時の貢献度に課題を残す。メイヌーは創造性に優れるが、守備面での負担が大きくなると攻撃力が削がれる。

バレバはこの条件をすべて満たす数少ない存在だ。彼が加われば、ユナイテッドは中盤でのボール奪取から即座に攻撃へ移行する流れを安定的に作り出せる。さらに、プレミアリーグでの適応済みという事実は、移籍後の即戦力化を保証する大きな要素となる。

2025年夏の交渉とブライトンの姿勢

今夏、ユナイテッドはバレバ獲得に向けて複数回の打診を行ったが、ブライトンは「非売品」の姿勢を崩さなかった。報道によれば、ブライトンは2023年にチェルシーへモイセス・カイセドを売却した際と同等、つまり1億1500万ポンド規模の移籍金を要求する可能性が高い。契約は2028年まで残っており、クラブ側に売却の圧力はない。

この強気な姿勢は、バレバが今季さらに成長すると確信しているからだ。ヒュルツェラー監督は彼を中心に中盤を構築し、ボール保持率とプレス強度の両面でリーグ上位を狙う戦術を展開している。9月13日のボーンマス戦でも先発が予想され、シーズン序盤から存在感を示すことになりそうだ。

ユナイテッドは今夏、マテウス・クーニャ、ベンヤミン・シェシュコ、ブライアン・ムベウモら攻撃陣を補強し、GKとしてセネ・ラメンスといった若手を獲得した。しかし、中盤の補強は実現せず、1月または来夏の市場での再挑戦が既定路線となっている。

アモリムはカゼミーロとウガルテに代わる高エネルギー型MFを求めており、バレバはその理想像に最も近い。加えて、クラブは彼をフェルナンデスの“相棒”としてだけでなく、将来的には中盤のリーダーとして据える構想を描いている。

報道では、アダム・ウォートンやアンジェロ・スティラーといった他のMFも候補に挙がっているが、いずれもバレバほどの総合力やプレミア適応度は持たない。特にスティラーは移籍金が抑えられる利点がある一方で、守備強度やフィジカル面での不安が指摘されている。ユナイテッドが本気で中盤の質を引き上げるなら、バレバ級の投資が不可欠。

個人的な見解

バレバをユナイテッドの中心に据える構想は、戦力の継ぎ足しではなく、試合運びそのものの再設計に踏み込む決断だと受け取っている。

アモリムの守備から攻撃への切り替えは、前線の個の破壊力に依存する局面が多い一方で、中盤での刈り取りと前進の質が不均一だと一気にブレーキがかかる。バレバは奪って運べる。

ここが肝だ。単にデュエルが強いだけでも、配球が巧いだけでも足りない。相手の2列目が圧を強めた瞬間に背中へボールを通し、その直後に二度追いで再びゲームの主導権を握り直す。この連続性を担える人材は、プレミアのトップクラブを見渡しても限られる。

もう一つ強調したいのは、ユナイテッドがこの年齢帯のプレミア適応済みMFに、どの程度のリソースを投下する覚悟を持てるかだ。

ブライトンは買い手の焦りを読み切る交渉に長け、資産価値のピークを計りながら着地点を引き上げてくる。額面の議論に終始すると「高すぎる」という結論に落ちがちだが、減価の少ない能力セットに投資するなら、キャッシュアウトだけでなく競技レベルのキャッシュフローも並行で評価すべき。

トップ4復帰、CLノックアウトの常連化、放映枠の増加、スポンサーの再強化。バレバが中盤の摩擦を減らし、攻撃回数と位置を引き上げるなら、クラブの収益構造に波及するリターンは机上の数字以上に立体的になる。

リスクもないわけではない。負荷の高いスケジュールでの稼働率、ファールコントロール、累積警告の管理は、若いMFが一段上の責務を担う時に必ず壁になる。

守備強度を大きく落とさず循環を保つために、ローテーションの二番手に空白を残さないこと。移籍が叶わない期間は、内部の役割分担を再設計し、インテンシティの波を均すことが現実解になる。

結論として、2026年のバレバ獲得は、ユナイテッドが自分たちのゲームモデルを前に押し出すためのキーストーンになり得る。フェルナンデスの創造性を孤立させず、最終ラインの負担を薄め、前線の決定力を増幅する。

中盤の一手でチーム全体の座標軸が整う光景は、ここ数年のユナイテッドでは見られなかったものだ。交渉が長期戦になるのは避けられないが、優先順位をぶらさず、資本配分の判断を研ぎ澄ませる価値は十分にある。

完璧なタイミングなど来ない。だが、今のユナイテッドに必要なのは、勝利の確度を少しずつ上げる現実的な選択だ。バレバは、その現実を押し広げる人材だと確信している。