来年には30歳を迎えるルベン・ロフタス=チークに対し、ニューカッスルやアストン・ヴィラ、ウェストハムが接近か!?

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来年には30歳を迎えるルベン・ロフタス=チークに対し、ニューカッスルやアストン・ヴィラ、ウェストハムが接近か!? Aston Villa

ルベン・ロフタス=チークの名前が、ミランの街でこれほど熱く語られるのは久しぶりだ。2023年夏にチェルシーから加入して以来、度重なる負傷に悩まされながらも、ピッチに立てばその存在感は圧倒的だった。

今季、マッシミリアーノ・アッレグリが指揮官として復帰すると、その評価は一気に高まった。右のインサイドハーフとしてもトップ下としても機能し、攻守の切り替えでチームの心臓部を担う姿は、まさに戦術の要となっている。

しかし、2025年9月現在、その未来は不透明さを増している。契約は2027年6月まで残っているが、来年6月には30歳を迎え、残り契約は1年になる。もし今季中に延長がまとまらなければ、来夏の移籍市場で売却される可能性が高い。

しかも、ニューカッスル・ユナイテッドやアストン・ヴィラ、ウェストハム・ユナイテッドらプレミアリーグの複数クラブが獲得に動いているとされ、移籍金は2000万ユーロ前後が目安と見られる。契約満了まで1年という条件を考えれば、1500万ユーロ程度での決着も現実的。

アッレグリが託す中盤の推進力

アッレグリ監督はイングランド代表にも復帰したロフタス=チークを重用している。彼はフィジカルの強さに加え、相手の中盤と最終ラインの間に巧みにポジションを取り、前を向いた瞬間に加速する推進力を持つ。

守備ブロックを一瞬で切り裂くその動きは、ミランの攻撃に縦の変化を与える。さらに、空中戦の強さと守備時の広いカバー範囲は、中盤構造を安定させる重要な要素。

今季のセリエAでは、彼が出場した試合でのミランの平均ボール保持率は56%を超え、彼がピッチに立つ時間帯の被シュート数は顕著に減少している。

これは、攻撃時に相手のプレスを剥がすだけでなく、守備時には即座に切り替えてボール奪取に関与している証拠だ。9月14日のボローニャ戦では、モドリッチの決勝ゴールを導くドリブル突破で試合を決定づけ、攻守両面で存在感を示した。

ただし、ロフタス=チークのキャリアは順風満帆ではない。昨季終盤から今季にかけて、外転筋損傷や急性虫垂炎といったアクシデントに見舞われ、長期離脱を余儀なくされた。2025年3月のコモ戦で復帰を果たした直後、ナポリ戦の直前に急性虫垂炎を発症し緊急手術。

再び戦列を離れることになった。それでも4月のコッパ・イタリア準決勝インテル戦で復帰し、短い出場時間ながらも中盤の安定感を取り戻した。

こうした度重なる離脱は、クラブにとって契約延長交渉を難しくしている要因の一つ。年齢的にも最後の大型契約となる可能性が高く、選手側は条件面や将来の構想を慎重に見極めている。一方で、アッレグリは彼を中核に据えた戦術構想を描いており、クラブに対して延長の必要性を強く訴えている。

プレミアリーグ勢の視線と市場価値

プレミアリーグのクラブがロフタス=チークに注目する理由はわかりやすい。彼のプレースタイルは、プレミアの高強度な試合環境に適応できるだけのフィジカルと技術を兼ね備えている。過去にはチェルシーでその存在感を示すシーズンもあった。

ニューカッスルにとっては中盤のフィジカル強化や枚数の確保を狙い、アストン・ヴィラはヨーロッパでの経験値を評価している。ウェストハムはデクラン・ライス退団後の定まらない中盤の中軸確保の一環として彼をリストアップしているそうだ。

市場価値は年齢や契約状況によって変動するが、今季のパフォーマンス次第では2000万ユーロを超える可能性もある。逆に、負傷やコンディション不良が続けば、評価額は下がり、移籍先の選択肢も限られてくるだろう。

ミランにとって、ロフタス=チークの去就は来季の戦力図を大きく左右する。欧州カップ戦復帰を目指す中で、中盤の核を失うことは戦術面だけでなく、チームの士気にも影響を与える。

契約延長が成立すれば、アッレグリの戦術構想の中核として数年間の安定が見込めるが、延長がまとまらなければ、来夏の移籍市場での売却は避けられない。

クラブは今季終了までに契約延長をまとめることを目標としているが、交渉は容易ではない。選手側はプレミア復帰の可能性も視野に入れており、条件面だけでなく、チームの将来性や出場機会も重要な判断材料となる。

個人的な見解

ロフタス=チークは、ミランの攻守のバランスを支える中核。彼がいることで、ミランは攻撃の起点を複数持ち、守備の切り替えもスムーズになる。

特にアッレグリの戦術は、局面ごとの判断力とフィジカルの両立を求めるため、彼の存在は戦術的な潤滑油として機能している。

こうした選手を失うことは、戦力ダウン以上に戦術全体の再構築を迫られるリスクを伴う。

個人的には、ミランが欧州カップ戦で再び存在感を示すためには、ロフタス=チークのような経験と多様性を持つ選手こそ中心に据えるべきだと考える。

移籍市場の誘惑は避けられないが、クラブが彼の価値を正しく評価し、長期的なビジョンの中で契約延長を実現できるかどうかが、来季以降のミランの成否を分けるだろう。