今夏加入のパリーニャに対して、トッテナム・ホットスパーが今冬にも完全移籍への移行を検討か!?

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今夏加入のパリーニャに対して、トッテナム・ホットスパーが今冬にも完全移籍への移行を検討か!? Tottenham Hotspur

ジョアン・パリーニャはトッテナム・ホットスパーの中盤に君臨している。今夏、バイエルン・ミュンヘンからのローン移籍で加入したポルトガル代表MFは、すでに北ロンドンの空気を変えつつある。

公式発表によれば、契約は2025/26シーズン終了までのレンタルで、来夏には約3000万ユーロでの買い取りオプションが付随している。

フラム時代にプレミアリーグ屈指の守備的MFとして名を馳せた彼は、バイエルンでは出場機会に恵まれず、わずか17試合の出場にとどまった。しかしトッテナムに戻ってきた瞬間から、その存在感は一変した。

彼のタックル、インターセプト、そしてボール奪取後の冷静な配球は、チーム全体のリズムを整え、攻守の切り替えを滑らかにしている。

トッテナムはこの夏、モハメド・クドゥス、ケヴィン・ダンソ、マティス・テル、ルカ・ヴシュコヴィッチ、高井幸大といった多彩な補強を敢行したが、その中でもパリーニャの加入は「即効性」と「安定感」を兼ね備えた補強として際立っている。

そして、トッテナムはすでに中盤に欠かせない存在となったポルトガル人の守備的MFに対して、この冬に完全移籍に移行するかどうか検討し始めていると、英『TBR Football』が報じた。

トッテナムが求めた“中盤の保証人”

パリーニャのプレースタイルを一言で表すなら「破壊と構築の両立」だ。1試合平均でリーグトップクラスのタックル数を記録しつつ、奪ったボールを確実に前線へとつなぐ。フラム時代にはプレミアリーグで2シーズン連続最多タックルを記録し、守備的MFとしての評価を不動のものにした。

バイエルンではヴィンセント・コンパニー監督の下で定位置を確保できなかったが、それは彼の能力不足ではなく、戦術的な優先順位の問題だった。

むしろ、トッテナムにとってはその“余剰戦力”を拾い上げる絶好の機会となった。ファブリツィオ・ロマーノによれば、当初は買い取りオプションを避ける方針だったスパーズも、最終的にはバイエルン側の要求を受け入れ、3000万ユーロの条項を盛り込むことで合意に至った。

この金額は、現在の市場を考えれば極めて現実的。30歳という年齢をリスクと見る声もあるが、守備的MFというポジションは経験がものを言う。むしろ、若手主体のトッテナムにとって、彼のような経験豊富なリーダーは不可欠であり、チームの精神的支柱としての役割も期待されている。

さらに注目すべきは、彼の存在が他の選手に与える影響だ。パペ・マタル・サールやアーチー・グレイ、ルーカス・ベリヴァルといった若手MFは、パリーニャの隣でプレーすることで、守備の基本や試合の読み方を学ぶことができる。これは単なる戦力補強ではなく、クラブ全体の成長を促す“教育的投資”でもある。

プレミアリーグでの再証明と未来の展望

トッテナムは昨季、ヨーロッパリーグを制覇し、クラブの歴史に新たな1ページを刻んだ。その成功の裏には、マティス・テルの躍動やクドゥスの創造性といった攻撃陣の輝きがあったが、今季はその土台を固める存在としてパリーニャが加わった。

彼の加入によって、スパーズはより多様な戦術オプションを手に入れた。例えば、相手がポゼッションを重視するチームであれば、パリーニャをアンカーに据え、ダブルボランチで中盤を制圧する。

一方で、カウンター主体の試合では、彼のボール奪取から一気に前線へ展開する形が有効になる。こうした柔軟性は、長いシーズンを戦い抜く上で大きな武器となる。

また、彼のプレゼンスは心理的な安定感ももたらす。守備陣が背後を気にせずラインを押し上げられるのは、パリーニャが中盤で相手の攻撃を食い止めてくれるという信頼があるからだ。これは数字には表れにくいが、チーム全体のパフォーマンスを底上げする重要な要素である。

個人的な見解

ジョアン・パリーニャのトッテナム移籍は「クラブの戦術的進化を象徴する一手」だと考えている。

これまでスパーズは攻撃的な才能を数多く抱えながらも、試合を締める力に欠けると指摘されてきた。その弱点を補う存在が、まさに彼だ。

3000万ポンドというオプションは、もし彼が今季もフラム時代のような支配力を見せれば、むしろ安すぎると評価される可能性すらある。

さらに、彼の加入は単なる戦力強化にとどまらない。若手MFたちにとっては最高の教材であり、クラブの未来を形作る“橋渡し役”でもある。

2026年以降、スパーズがより創造的な中盤を志向するにしても、その基盤を築くのはパリーニャのような経験豊富な守備的MFだろう。

北ロンドンの地で、彼がどこまで影響力を広げるのか。今季のトッテナムを占う上で、パリーニャの存在は避けて通れない。彼が本当に“ロールスロイス”と呼ばれるにふさわしいかどうか、その答えはこれからの数か月で明らかになる。