ラ・リーガで最も注目を集める若手の一人が、アスレティック・クラブのミケル・ハウレギサールだ。21歳にしてチームの中盤を掌握し、試合のリズムを自在に操る姿は、すでに欧州のトップクラブを惹きつけている。特にマンチェスター・シティは、ペップ・グアルディオラの強い推薦を受け、彼の獲得に本腰を入れていると、スペイン紙『Fichajes』が報じている。
ハウレギサールは、ビルバオのレサマ育成所からトップチームに昇格した生え抜き選手であり、クラブの未来を象徴する存在。昨季はヨーロッパリーグでマンチェスター・ユナイテッドを相手に堂々としたパフォーマンスを披露し、その名を一気に広めた。守備的MFとしての強度に加え、縦パスの精度や展開力も兼ね備え、攻守両面でチームを支える万能型の中盤選手として評価されている。
アスレティックは彼を「売却不可」と位置づけているが、移籍市場の現実は厳しい。クラブは最低でも5000万ユーロを要求しており、シティが提示したとされる2500万ユーロのオファーは即座に拒否された。
しかし、グアルディオラは諦めていない。彼はハウレギサールを「未来のロドリ」と見なし、長期的に中盤を支える存在として構想に組み込んでいる。
マンチェスター・シティが描く中盤再編の青写真
シティがハウレギサールに注目する背景には、チームの中盤事情がある。ロドリが膝の大怪我で長期離脱を余儀なくされ、ケビン・デ・ブライネも今夏で退団した。昨季はアーセナルとリヴァプールにタイトル争いで後れを取り、グアルディオラは中盤の刷新を急務と考えている。
ハウレギサールは、単なるバックアップ要員ではなく、将来的に中盤の軸を担う可能性を秘めている。彼のプレースタイルは、ボール奪取からビルドアップ、さらには前線への推進力まで幅広く対応できる点で、シティの戦術に完璧にフィットする。特に、プレッシャー下でも冷静にボールを捌き、試合のテンポをコントロールする能力は、グアルディオラが最も重視する資質だ。
一方で、アスレティックにとってハウレギサールはクラブの未来そのものだ。バスクの地元出身であり、ファンからの支持も絶大。彼を手放すことは、単なる戦力ダウンにとどまらず、クラブのアイデンティティを揺るがすことになる。だからこそ、クラブは「売却不可」の姿勢を崩さず、残留を最優先に据えている。
欧州全体が注目する才能の行方
ハウレギサールの評価はスペイン国内にとどまらない。イングランドではシティ以外にもチェルシーが関心を示しており、イタリアやドイツのクラブもスカウトを派遣していると伝えられている。彼の戦術理解度と冷静さは、年齢を超えた成熟を感じさせ、欧州全体で「次世代の中盤の支配者」として注目されている。
特に印象的なのは、彼の試合ごとの安定感だ。今季ここまでのラ・リーガで全試合にスタメン出場を果たしており、チームの攻守を安定させる存在感を放っている。すでにトップレベルで通用する選手であることを間違いなく、グアルディオラが彼を「今すぐにでも欲しい」と考えるのも無理はない。
ハウレギサールにとって、シティ移籍はキャリアを飛躍させる大きなチャンスとなる。グアルディオラの下でプレーすることは、戦術理解度をさらに高め、世界最高峰の中盤選手へと成長する道を開く。一方で、アスレティックに残れば、クラブの象徴として歴史に名を刻む可能性がある。
バスクの地で育ち、ファンの期待を背負う彼がどの道を選ぶのかは、今後数カ月の動向にかかっている。移籍市場はすでに熱を帯びており、来夏にはシティが本格的なオファーを提示する可能性が高いと見られている。
個人的な見解
マンチェスター・シティがハウレギサールを獲得すれば、中盤の世代交代を一気に進め、再びプレミアリーグの覇権を握る可能性が高まる。
逆にアスレティックが彼を守り抜けば、クラブの哲学と育成文化が改めて証明されることになる。
個人的には、彼がシティに移籍すれば、数年以内にプレミアリーグを代表する中盤選手に成長するだろうと確信している。
しかし同時に、アスレティックに残り、クラブの象徴としてキャリアを築く姿も見てみたい。どちらの道を選んでも、ハウレギサルが欧州サッカーの中心に立つ未来は揺るがない。