バルセロナの副主将ロナルド・アラウホを巡り、プレミアリーグの3クラブが激しい駆け引きを繰り広げている。スペイン紙『Sport』の報道によれば、トッテナム・ホットスパーがチェルシー、リバプールと並び、アラウホ獲得に本格的に動き出したという。
アラウホは2019年にトップデビューを果たして以来、バルセロナの守備を支える存在として君臨してきた。空中戦での圧倒的な強さ、1対1での冷静な対応、そして副主将としてのリーダーシップは、クラブにとって欠かせない要素だ。しかし、バルセロナの財政難と負傷歴、さらに出場機会の変動が重なり、移籍市場での注目度は一層高まっている。
同誌によれば、トッテナムは新監督トーマス・フランクの下で守備の再構築を急いでおり、アラウホを最優先ターゲットのひとりとしてリストアップしている。
すでにモハメド・クドゥスやマティス・テルを獲得し、積極的な補強を進めているスパーズだが、クリスティアン・ロメロと並ぶもう一枚の鉄壁を求めている。アラウホの加入は、チャンピオンズリーグを戦う上で大きな意味を持つだろう2。
リバプールとチェルシーも虎視眈々
リバプールは、イブラヒマ・コナテの契約延長が不透明な状況にあり、ファン・ダイクの後継者探しを急いでいる。アルネ・スロット監督は、アラウホの空中戦能力とライン統率力を高く評価しており、彼を理想的な補強と見ている。
チェルシーは守備の再編が急務だ。レヴィ・コルウィルの長期離脱に加え、既存のセンターバック陣が安定感を欠いている。ブルーズは5000万ユーロ規模のオファーを準備しているとされ、アラウホの多様性と経験を即戦力として求めている。
一方で、バルセロナはアラウホを非売品と位置づけている。2025年1月に2031年までの契約延長を結んでおり、違約金は10億ユーロに設定されている。財政難を抱えるクラブにとって高額オファーは魅力的だが、ハンジ・フリック監督は彼を守備の軸として手放す意思はないとされる。
個人的な見解
ロナルド・アラウホを巡る今回の争奪戦は、プレミアリーグとラ・リーガの力学を象徴する動きだと感じる。
トッテナム、リバプール、チェルシーという3クラブが同時に狙うという事実は、彼が現代サッカーにおいていかに希少なタイプのセンターバックであるかを示している。
スピード、空中戦、戦術理解、リーダーシップ。そのすべてを兼ね備えた選手は、世界でも数えるほどしかいない。
個人的には、アラウホがバルセロナに残り、パウ・クバルシとともに新時代の守備を築く姿を見たい。
しかし、もし彼がプレミアに渡れば、ロメロやファン・ダイクと並び立つ姿はリーグ全体の注目を集めるだろう。
特にトッテナムに加入すれば、守備の安定感を一気に引き上げ、クラブの欧州での地位を確固たるものにする可能性がある。
いずれにせよ、この移籍話は2026年夏に向けた欧州サッカーの勢力図を左右する重要な分岐点となる。アラウホの決断は、クラブの未来だけでなく、リーグ全体の競争構造を変える力を持っている。
