セリエAで急速に評価を高めているアルゼンチン人ストライカー、マテオ・ペッレグリーノを巡って、プレミアリーグの複数クラブが動きを見せている。イタリアメディア『ParmaLive』の報道によれば、トッテナム・ホットスパー、ウェストハム、ノッティンガム・フォレストが揃って彼の動向を追っており、来夏の移籍市場で本格的な争奪戦が繰り広げられる可能性が高まっている。
ペッレグリーノは2025年にベレス・サルスフィエルドからパルマへ移籍した際、わずか200万ユーロの評価額だった。しかし、セリエAでの活躍によってその価値は急上昇。今季も開幕から7試合で5得点を記録し、攻撃の軸として存在感を放っている。
パルマはすでに1500万ユーロを超えるオファーを拒否しており、現在の市場価値は3000万ユーロ前後に達しているとされる。さらにベレスが将来売却益の50%を保持しているため、パルマは強気の姿勢を崩さない。
ペッレグリーノの特性とプレミアリーグ適応の可能性
ペッレグリーノのプレースタイルは、典型的な「点取り屋」の枠を超えている。190cm近い長身を活かした空中戦の強さに加え、前線でのポストプレー、裏への抜け出し、さらには守備への献身性まで兼ね備える万能型ストライカーだ。
セリエAではゴール前での冷静なフィニッシュと、相手DFを背負いながらもボールを収める技術が光っている。特に今季はトリノ戦での2得点が象徴的で、勝負強さを証明した。
トッテナムにとって、このタイプのストライカーはまさに補強の急所。リシャルリソンやドミニク・ソランケが得点面で波を見せる中、トーマス・フランク監督は攻撃の多様性を求めている。ペッレグリーノが加入すれば、攻撃陣との連携で新たな攻撃パターンを構築できるだけでなく、ハリー・ケイン退団後に残された空白を埋める存在となり得る。
一方で、ウェストハムやノッティンガム・フォレストにとってもペッレグリーノは魅力的なターゲット。特にフォレストはレギュラー確約を提示できる可能性があり、選手自身にとっては成長の場として映るかもしれない。しかし、欧州カップ戦の舞台やタイトル争いの可能性を考えれば、トッテナムが最も説得力のある選択肢であることは間違いない。
移籍市場における駆け引きと今後の展望
パルマは冬の移籍市場での放出を拒否する姿勢を明確にしており、実際の交渉は来夏に持ち越される見込みだ。その間にペッレグリーノの価値はさらに上昇する可能性が高く、3000万ユーロという評価額もシーズン終了時には跳ね上がっているかもしれない。
加えて、アトレティコ・マドリードやビジャレアルといったラ・リーガ勢も関心を示しており、争奪戦は国境を越えて激化することが予想される。
トッテナムが本気で彼を獲得するのであれば、早期に交渉をまとめる必要がある。競合クラブが増えれば増えるほど、価格は高騰し、リスクも増す。クラブのフロントがどこまで投資に踏み切れるかが、来季の補強戦略を大きく左右するだろう。
個人的な見解
ペッレグリーノの移籍を巡る動きは、プレミアリーグの中堅から上位を狙うクラブがどのように補強戦略を描くかを映し出している。
トッテナムは即戦力と将来性を兼ね備えた選手を求めており、ペッレグリーノはその条件に合致する。彼の成長曲線を考えれば、3000万ユーロという価格は決して過大ではない。むしろ数年後には、その投資が倍以上の価値を生む可能性を秘めている。
ただし、プレミアリーグで成功するかどうかは、出場機会と戦術的な適応にかかっている。セリエAで見せる冷静さと決定力をそのままイングランドに持ち込めるか。
フィジカルの激しさや試合のテンポに対応できるか。そこが最大の試金石となる。個人的には、トッテナムが本気で彼を獲得に動くなら、迷わず早めに交渉を進めるべきだと考える。
競合が増えれば増えるほど、彼を手にする難易度は高まる。スパーズが未来のエースを手にできるかどうか、その決断は今季の補強戦略を象徴するものになるはずだ。