アーセナルはセビージャ所属のフランス人MFルシアン・アグメ獲得に向けて動きを加速させている。スペイン紙『Fichajes』の報道によれば、アーセナルはすでに代理人サイドと接触を開始しており、冬の移籍市場で正式なオファーを提示する準備を進めているという。
アグメには4000万ユーロの契約解除条項が設定されているが、セビージャは財政再建の一環として3500万ユーロ前後での売却に応じる可能性が高いとされる。セビージャは今季もラ・リーガで苦しい戦いを強いられており、クラブの経営陣は「大きな売却」を通じてチーム再編を進めたい意向を示している。
アーセナルにとって、アグメはトーマス・パーティ退団後の「守備的中盤の後継者」として最適な存在だ。ジョルジーニョもすでにクラブを去り、マルティン・スビメンディやクリスティアン・ノアゴーを獲得したものの、プレミアリーグとチャンピオンズリーグを並行して戦うにはさらなる厚みが必要とされている。
23歳のアグメは、ラ・リーガでのプレーを通じてボール奪取力、守備範囲の広さ、そして縦への推進力を兼ね備えた選手として評価を高めてきた。特に今季はセビージャの中盤で圧倒的な存在感を放ち、対人戦の勝率やインターセプト数でチームトップを記録している。彼のプレースタイルは、アルテタが求める「攻守のバランスを取れる中盤の駒」と完全に一致している。
アーセナルの中盤補強戦略とアグメの未来像
アーセナルの補強戦略は明確。デクラン・ライスを軸に据えつつ、スビメンディやノアゴーといった多様なタイプの中盤を揃えることで、試合ごとに戦術を柔軟に変化させる。そこにアグメが加われば、守備的な安定感と攻撃への切り替えの速さをさらに高めることができる。
アルテタのチームは、ポゼッション時に中盤の底で安定感をもたらす選手を必要としている。ライスはその役割を果たしているが、彼を前に押し出すオプションを持つためにも、もう一人の守備的中盤が不可欠だ。アグメはその役割を担えるだけでなく、フィジカルの強さと戦術理解の高さで、プレミアリーグの強度にも即座に適応できると見られている。
さらに、アグメ自身にとってもアーセナル移籍は大きな飛躍となる。セビージャでは主力として評価を高めてきたが、プレミアリーグでの挑戦はさらなる成長を促すだろう。特にアルテタの下で戦術理解を深めれば、彼のポテンシャルは一段と開花するはずだ。
一方で、アーセナルの中盤にはすでに激しい競争が存在する。ライス、スビメンディ、ノアゴーらが在籍しており、アグメが加入すれば、ポジション争いはさらに熾烈になる。しかし、その競争こそがチーム全体のレベルを引き上げる要因となる。
個人的な見解
ルシアン・アグメの獲得は、アーセナルにとって「即戦力」と「将来性」を兼ね備えた補強になると考える。
3500万ユーロ前後での獲得が実現すれば、これは市場価値を大きく上回る投資効果をもたらす可能性がある。
特に、プレミアリーグで求められる強度とスピードに適応できれば、アグメはトーマス・パーティの後継者として長期的に中盤を支える存在となるだろう。
ただし、アーセナルの中盤にはすでに競争が激しい環境が整っている。スビメンディやノアゴーといった新戦力に加え、ライスという絶対的な存在がいる中で、アグメがどのようにポジションを確立するかは未知数だ。
しかし、アルテタが求める「攻守のバランスを取れる中盤の駒」として、彼の存在は戦術的な柔軟性を広げるはず。
結論として、アグメ獲得はアーセナルの野心を象徴する動きであり、もし実現すればプレミアリーグのタイトル争いにおいて重要なピースとなる可能性が高い。冬の移籍市場での交渉の行方に注目したい。
