トッテナム・ホットスパーがブレントフォードのドイツ代表ウインガー、ケヴィン・シャーデの獲得に強い関心を寄せていると、英『Sky Sports』が報じている。
24歳のシャーデは昨季プレミアリーグで11ゴールを記録し、ブレントフォードの攻撃を牽引した。彼の爆発的なスピードと縦への推進力は、トーマス・フランク政権が目指すフットボールにおいて大きな武器となり得る。
さらに、トッテナムがヨーロッパリーグを制したことで、クラブは再び積極的な補強に動ける状況となった。攻撃陣の刷新は避けられないテーマであり、シャーデのように若く、かつプレミアリーグで実績を積んだ選手は理想的なターゲットだ。特に、ソン・フンミンの退団を考えれば、次世代のウインガーを確保することはクラブの未来設計に直結する。
ブレントフォード時代に指揮していたフランク監督の存在も大きなファクターとなり得る。彼の下で成長を遂げたシャーデにとって、恩師との再会はキャリアをさらに加速させるきっかけとなるだろう。
ケヴィン・シャーデのプレースタイルとトッテナムでの役割
シャーデの特徴は、何よりもスピードだ。1試合平均で3回以上のドリブル成功を記録し、相手守備を切り裂く突破力はプレミアリーグでも屈指の水準にある。右サイドを主戦場としながら、カットインからのシュートや裏への抜け出しでゴールに直結するプレーを見せる。昨季は決定力の向上が顕著で、ゴール前での冷静さも増している。
トッテナムに加入した場合、ウィルソン・オドベールやマティス・テル、デヤン・クルセフスキとのポジション争いが待ち受ける。特に、相手が守備ブロックを敷いた際に個の力で局面を打開できる選手は、今のスパーズに不足している要素だ。
また、シャーデは守備面でも献身的に走れる選手であり、ブレントフォードで培ったハードワークはトッテナムでも評価されるだろう。攻撃だけでなく守備でも貢献できる点は、フランクが求める条件に合致している。
移籍市場における位置づけとブレントフォードの対応
ブレントフォードとしては、主力の流出は避けたいところだが、クラブの経営方針を考えれば高額オファーが届けば交渉に応じる可能性は高い。現在の市場価値は約3500万ポンドとされており、トッテナムが本気で動けば十分に手が届く範囲だ。
トッテナムは攻撃陣の再編を進める中でシャーデをリストの上位に置いている。ヨーロッパリーグ制覇によって得た資金力を背景に、クラブは積極的に補強を進める構えを見せている。
トッテナムはこれまでも、プレミアリーグ内で実績を積んだ若手選手を獲得する傾向が強い。リシャルリソンやクルゼフスキの加入もその一例であり、即戦力でありながら将来的な成長も期待できる選手をターゲットにしてきた。シャーデもその流れに合致する存在であり、クラブの補強戦略において自然な選択肢といえる。
また、トッテナムは近年、攻撃陣の層の薄さに悩まされてきた。特に、ソン・フンミンやハリー・ケインが不在の際に得点力が落ちる傾向が顕著だった。シャーデの加入は、その弱点を補う意味でも大きな価値を持つ。
個人的な見解
ケヴィン・シャーデのトッテナム移籍は、戦術的にも市場的にも理にかなった動きだと考える。
ソン・フンミンの後継者としてだけでなく、即戦力としても期待できる点は大きい。特に、縦への推進力と得点力を兼ね備えた彼の存在は、プレミアリーグで上位を狙うスパーズに新たな武器をもたらすだろう。
一方で、課題もある。シャーデはまだトップクラブでの経験が浅く、安定感という点では未知数だ。トッテナムのようなプレッシャーの大きい環境で、継続的に結果を残せるかどうかは試されることになる。
ただし、トーマス・フランク監督の誕生でそのリスクは大きく軽減されるだろう。恩師との再会は、選手にとって大きな安心感と自信につながるからだ。
総じて、シャーデはトッテナムにとって「未来を担う即戦力」となり得る存在だ。クラブが本気でタイトルを狙うのであれば、このような若く勢いのある選手を獲得することは不可欠だろう。今後の交渉の行方に注目したい。