トッテナムのゴールキーパー問題はクラブの最重要課題のひとつとして再び浮上している。英『TEAMtalk』の報道によれば、クラブは来夏の移籍市場で新たな守護神獲得を最優先に掲げている。
グリエルモ・ヴィカーリオは2023/24シーズンの加入当初、驚異的な反射神経と安定したセービングでファンを魅了した。しかし、その後の2シーズンで見せたパフォーマンスは波が激しく、特に2024/25シーズンに負った足首の大怪我以降、安定感を欠く試合が続いている。
ヴィカーリオは依然としてトッテナムの正守護神として起用されているが、リーズ戦での痛恨のミスやクロス対応での不安定さが批判を集めている。
トーマス・フランク監督は、守備の最後の砦に「より確実で戦術的に噛み合う存在」を求めており、クラブの補強方針と一致している。一方で、クラブ内部には「まだヴィカリオを信頼すべきだ」とする声もあり、「現時点で交代は検討していない」との見解も示されている。
新守護神候補と移籍市場のシナリオ
トッテナムは過去にトゥールーズのギヨーム・レステに関心を寄せたことがあり、今後もリストに残っている可能性が高い。また、ACミランがマイク・メニャンの去就不透明な状況に直面した際には、ヴィカーリオ自身が移籍候補として浮上した経緯もある。つまり、ヴィカーリオの未来はトッテナムだけでなく、欧州全体の移籍市場の動向と密接に絡んでいる。
さらに、トッテナムは2025年の移籍市場でゴールキーパー補強を含む複数ポジションの強化を計画しており、ヴィカリオの怪我と不安定なパフォーマンスがその優先順位を押し上げている。
フランク監督の戦術を考えれば、足元の技術とハイラインの裏をカバーする判断力を備えたGKが理想像となる。ヴィカーリオはショットストップ能力に優れるが、ビルドアップやクロス対応での不安定さが課題とされている。
トッテナムが新たな守護神を探す背景には、ミスの多さだけでなく、戦術的な適合性の問題も横たわっているのだ。
個人的な見解
ヴィカーリオは決して凡庸なGKではない。むしろ、彼の反射神経やセービング能力はプレミアリーグでもトップクラスに入る。
しかし、トッテナムが目指すのは「安定して勝点を積み上げられるチーム」であり、そのためには守護神に対する信頼が揺らいではならない。ヴィカーリオの不安定さは、チーム全体のリズムを狂わせるリスクを孕んでいる。
私の見立てでは、トッテナムは2025年夏に確実に新守護神候補をリストアップするだろう。ヴィカーリオがその座を守れるかどうかは、残りシーズンでのパフォーマンス次第。
彼が安定感を取り戻し、フランク監督の戦術に適応できれば、クラブは補強を先送りする可能性もある。
しかし、もし再び大きなミスを繰り返すようなら、トッテナムのゴール前には新たな顔が立っているはずだ。守護神の座を巡るこの攻防は、来夏の移籍市場における最大の焦点の一つになるだろう。
