マンチェスター・ユナイテッド、ジョーブ・ベリンガム獲得へ本腰?ドルトムントで苦境の20歳MFに熱視線

スポンサーリンク
マンチェスター・ユナイテッド、ジョーブ・ベリンガム獲得へ本腰?ドルトムントで苦境の20歳MFに熱視線 Manchester United

ボルシア・ドルトムントに所属する20歳のジョーブ・ベリンガムが、冬の移籍市場でローン移籍を模索していると複数のメディアが報じている。英『TEAMtalk』によれば、マンチェスター・ユナイテッドとクリスタル・パレスが彼の獲得に強い関心を示しており、特にユナイテッドは中盤の補強を急務としている。

ジョーブは今季、ブンデスリーガでわずか204分の出場にとどまっている。開幕直後こそ先発のチャンスを得たが、その後はニコ・コバチ監督の下で序列を下げ、ベンチを温める時間が増えている。兄ジュード・ベリンガムがレアル・マドリードで絶対的な存在感を放つ一方で、弟ジョーブはキャリアの岐路に立たされている。

ユナイテッドにとっても状況は切実だ。ルベン・アモリム監督の下で再建を進めるチームは、カゼミーロの衰えやコビー・メイヌーの不安定なコンディション、マヌエル・ウガルテも適応仕切れていない。シーズンを戦い抜くには明らかに層が薄い。ジョーブのようにフィジカルと推進力を兼ね備えた選手は、まさに今のユナイテッドが求めるピースとなる。

マンチェスター・ユナイテッドの中盤再建とジョーブの適性

ジョーブ・ベリンガムのプレースタイルは、兄ジュードと比較されがちだが、彼自身の強みは異なる。サンダーランド時代から見せてきたのは、縦への推進力とボールキャリーの力強さだ。相手のラインを切り裂き、前線へとボールを運ぶ能力は、ユナイテッドの攻撃に新たなリズムを与える可能性がある。

また、彼は守備面でも献身的で、ボール奪取から攻撃への切り替えをスムーズに行える。これはアモリム監督が志向するハイプレス戦術に合致しており、戦術的なフィット感も高い。さらに、ユナイテッドはProfit and Sustainability Rules(PSR)の制約下にあるため、ローン移籍という低リスクの補強は理想的な選択肢となる。

一方で、クリスタル・パレスも長らくジョーブに注目しており、プレミアリーグ内での争奪戦は避けられない。だが、オールド・トラッフォードという舞台の魅力、そして兄ジュードと同じイングランド代表を目指す上でのキャリア形成を考えれば、ユナイテッド行きは極めて現実的な選択肢だ。

ドルトムントでの停滞と移籍の必然性

ジョーブがドルトムントで苦しんでいる背景には、クラブの戦力事情もある。中盤にはエムレ・ジャンやマルセル・サビッツァーといった経験豊富な選手が揃い、さらに若手のユリアン・ライアーソンらも台頭している。競争の激しさは想像以上であり、20歳のジョーブにとっては厳しい環境だ。

さらに、父親マーク・ベリンガムがクラブ首脳陣と衝突しているとの報道もあり、家族を巻き込んだ摩擦が選手の立場を一層難しくしている。こうした背景を踏まえれば、冬の移籍市場で新天地を求めるのは自然な流れだろう。

個人的な見解

ジョーブ・ベリンガムのユナイテッド移籍は、クラブと選手双方にとって「必要とされるタイミング」が重なった稀有なケースだと考える。

ユナイテッドは中盤の再建を急務としており、ジョーブはその穴を埋めるだけでなく、未来を担う存在としても期待できる。ローンという形であれば、クラブにとってリスクは最小限で済み、選手にとってもキャリアを前進させる大きな一歩になる。

ただし、ユナイテッドが本当に彼を活かすためには、短期的な「穴埋め要員」として扱うのではなく、長期的な育成プランを描く必要がある。

兄ジュードの成功に隠れることなく、自らのスタイルを確立するためには、監督やクラブが彼を信じて継続的に起用することが不可欠だ。

もしこの冬にオールド・トラッフォードの芝を踏むことになれば、ジョーブにとってはキャリアの分岐点となるだろう。

ユナイテッドが未来を見据えた補強を本気で考えているのなら、このチャンスを逃すべきではない。ジョーブ・ベリンガムという名は、兄の影を超え、プレミアリーグの新たな主役候補として語られる日が来るはずだ。