崩壊寸前の守備を救えるか?ウェストハムが狙うトゥールーズDFチャーリー・クレスウェル

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リヴァプールとニューカッスルが火花、トゥールーズDFチャーリー・クレスウェルの未来 West Ham United

ウェストハム・ユナイテッドはプレミアリーグで19位に沈み、失点数はすでに18を数えている。ヌーノ・エスピリト・サントを新監督に迎えたものの、守備の不安定さは改善されず、クラブ全体に危機感が漂っている。そんな中で浮上したのが、リーグ・アンのトゥールーズでプレーする23歳のイングランド人センターバック、チャーリー・クレスウェルだ。

海外メディア『Claret & Hugh』の報道によれば、ウェストハムはナイフ・アゲルド売却で得た資金を全額投じ、クレスウェル獲得に動く構えを見せている。しかし、彼を巡る競争は熾烈だ。

リヴァプール、ニューカッスル、クリスタル・パレスも関心を寄せており、プレミア復帰を望むクレスウェルを巡って四つ巴の争奪戦が展開されている。市場価値は1500万ポンド前後とされ、年齢や成長曲線を考えれば「掘り出し物」と評価する声もある。

クレスウェルの強みとプレミア適応性

クレスウェルはリーズ・ユナイテッドのアカデミーで育ち、空中戦の強さと対人守備の粘りで評価を高めてきた。トゥールーズでは昨季リーグ戦31試合に出場し、守備の要として存在感を発揮。空中戦勝率は66%を超え、セットプレーから3得点を記録するなど攻守両面で貢献した。

ウェストハムにとって、彼の加入は守備の安定だけでなく、攻撃面にも波及効果をもたらす可能性がある。クレスウェルはロングフィードの精度に優れ、前線のジャロッド・ボーウェンへ一気に展開できる。現在のウェストハムは後方からのビルドアップに課題を抱えており、彼の加入は戦術的な幅を広げるだろう。

一方で、契約に含まれるとされる「降格条項」が交渉を複雑にしている。トゥールーズ側は強気の姿勢を崩さず、移籍金や条件面での駆け引きが続いている。他にも、エヴァートンも依然として関心を持っており、残留争いを繰り広げるクラブ同士での競合は避けられそうにない。

プレミア復帰を巡る熾烈な競争

クレスウェルの獲得を狙うのはウェストハムだけではない。リヴァプールは守備の世代交代を進める中で、若手イングランド人DFの補強を模索している。ニューカッスルは欧州カップ戦を見据えた選手層の強化を急ぎ、クリスタル・パレスは守備の安定を求めている。いずれのクラブにとっても、クレスウェルは将来性と即戦力を兼ね備えた魅力的な存在だ。

特にリヴァプールは、フィルジル・ファン・ダイクの後継者探しを本格化させており、クレスウェルの獲得はその一環とみられる。ニューカッスルは財力を背景に積極的な補強を続けており、競争はさらに激化する見通しだ。

個人的な見解

クレスウェルの獲得は、ウェストハムにとって「残留か降格か」を分ける決定打になり得る。守備の脆弱さを放置すれば、クラブはプレミア残留どころか、来季の再建すら難しくなるだろう。彼の空中戦の強さとセットプレーでの得点力は、勝ち点を拾うための現実的な武器になる。

ただし、問題はクラブの戦術的な一貫性にある。過去にも有望株を獲得しながら、チーム戦術との不一致で力を発揮できなかった例は少なくない。

クレスウェルが真価を発揮するには、ヌーノ監督が守備ライン全体を整理し、彼に明確な役割を与えることが不可欠だ。もしその環境が整えば、彼は単なる補強ではなく、クラブの未来を背負う守備の象徴となるだろう。

さらに、リヴァプールやニューカッスルといった強豪との競争に勝ち抜くには、ウェストハムが「プロジェクトの明確さ」を提示できるかが鍵になる。

残留争いに巻き込まれるクラブに移籍するリスクを、選手にどう納得させるか。そこにフロントの交渉力とクラブの将来像が問われている