セルー・ギラシ、ドルトムントの得点王に迫る決断?解放条項と欧州ビッグクラブの思惑

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セルー・ギラシ、ドルトムントの得点王に迫る決断?解放条項と欧州ビッグクラブの思惑 Arsenal

ボルシア・ドルトムントのセルー・ギラシを巡る移籍市場の噂は、ますます熱を帯びている。ドイツ紙『Bild』の報道によれば、ギラシの契約には6000万〜7500万ユーロの解除条項が存在し、2025年夏のFIFAクラブワールドカップ終了後から有効になるとされている。

この条項を行使できるのは、レアル・マドリードやバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、アーセナル、チェルシー、リヴァプールといった限られたメガクラブに限られており、サウジ・プロリーグなど資金力豊富なクラブであっても、同条件での獲得は難しい。

ギラシは2024年にシュトゥットガルトからドルトムントへ移籍し、瞬く間にチームの得点源となった。2024-25シーズンは公式戦50試合で38得点を記録し、UEFAチャンピオンズリーグでは13ゴールを挙げて得点王に輝いた。

今季もすでにブンデスリーガで4得点をマークし、ハリー・ケーンに次ぐ得点ランキング2位につけている日刊スポーツ。29歳という年齢を考えれば、キャリアのピークを迎えるタイミングであり、移籍市場での注目度は極めて高い。

バルセロナとリヴァプール、そしてドルトムントの思惑

特に強い関心を示しているのがバルセロナだ。ハンジ・フリック監督は、来季以降のストライカー補強を最優先課題と位置づけており、2026年に契約満了を迎えるロベルト・レヴァンドフスキの後継者としてギラシをリストアップしている。しかし、クラブの財政難は依然として深刻で、1億ユーロに達する可能性がある移籍金を捻出できるかは不透明。

一方、リヴァプールも新たなストライカーを探している。ユルゲン・クロップ退任後の再建期において、確実にゴールを奪える選手は不可欠であり、ギラシの高さと決定力はプレミアリーグの激しい戦いにおいても大きな武器となる。ただ、アレクサンデル・イサクとウーゴ・エキティケを獲得したいま、その可能性はゼロ。

ドルトムントとしては、ギラシがチームの得点力を支える存在である以上、簡単に放出する意思はない。しかし、契約解除条項が存在する以上、クラブの意思だけで引き留めることは難しい。さらに、欧州コンペティション出場権を逃した場合、ギラシ自身が移籍を検討する可能性も指摘されている。

個人的な見解

セルー・ギラシのケースは、現代サッカーにおける契約戦略の複雑さを象徴している。ドルトムントは彼を比較的安価に獲得し、その価値を数倍に引き上げた。

しかし、契約解除条項という“抜け道”が存在することで、クラブは完全な主導権を握れない。選手にとっては、トップクラブへの扉を開く安全弁であり、クラブにとってはリスクを伴う両刃の剣だ。

個人的には、バルセロナが最も現実的な移籍先だと考える。レヴァンドフスキの後継者問題は避けられず、フリック監督がギラシを高く評価しているのは明白だ。

ただし、財政難を抱えるクラブが高額の移籍金を支払えるかは疑問であり、プレミアリーグ勢のような資金力を持つクラブが本格的に動けば、一気に勝負が決まる可能性もある。

2026年夏に向けて、ギラシの去就は欧州移籍市場の最大の焦点のひとつになるだろう。

彼がドルトムントに残り続けるのか、それとも新たな舞台でキャリアの頂点を目指すのか。その決断は、ブンデスリーガだけでなく、欧州サッカー全体の勢力図を揺るがすことになるに違いない。