リーズ・ユナイテッドはマッカビ・テルアビブ所属のマリ代表MFイスフ・シソコ獲得に向けて本格的な交渉を進めている。海外メディア『Africa Foot』の報道によれば、クラブはすでに代理人サイドと接触を行い、1月の移籍市場で正式オファーを提示する準備を整えているという。
今季プレミアリーグに復帰したリーズは、開幕から8試合でわずか2勝にとどまり、順位は16位。直近のバーンリー戦でも0-2で敗れ、攻撃面での決定力不足と中盤の構築力の欠如が浮き彫りとなった。ファルケ監督は試合後に「内容では上回っていたが、肝心な場面での精度が足りなかった」と語り、チームの課題を明確に示した。
その解決策として浮上したのが、23歳のイスフ・シソコだ。フランスのボルドーからマッカビ・テルアビブへ移籍後、イスラエルリーグとヨーロッパの舞台で着実に評価を高めてきた。彼の強みは、豊富な運動量と対人の強さ、そしてシンプルかつ確実なボール配給。
派手なテクニックで観客を沸かせるタイプではないが、チーム全体のリズムを整える「潤滑油」としての役割を果たすことができる。
中盤の競争とイスフ・シソコの可能性
リーズの中盤には、アントン・シュタッハ、イリア・グルエフ、イーサン・アンパドゥといった選手が名を連ねる。いずれも守備的な役割を担えるが、攻守の切り替えや展開力に課題を残している。特にアンパドゥは守備面での貢献度は高いものの、前線への縦パス供給が安定せず、攻撃のテンポを停滞させる場面が目立つ。
イスフ・シソコはその弱点を補う存在として期待されている。イスラエルリーグでの昨季データによれば、1試合平均デュエル勝率は62%、パス成功率は86%を記録。さらに、ボール奪取後の前方へのパス本数はチーム内トップクラスであり、攻撃の起点としての役割を果たしてきた。リーズが今季抱える「ボール保持から攻撃への移行の遅さ」を改善する可能性を秘めている。
また、ファルケ監督がイスフ・シソコを即戦力として起用するのか、それとも将来を見据えたローテーション要員とするのかは注目点。クラブ内部では「未来の中盤の柱」としての期待も高まっており、長期的なチーム再建の一環と位置づけられている。
個人的な見解
今回のイスフ・シソコ獲得交渉は、リーズにとって戦力補強以上の意味を持つと考えている。
昇格直後のクラブがプレミアの強度に適応するためには、経験豊富なベテランだけでなく、将来性を持ちながら即戦力となり得る選手を確保することが不可欠。
イスフ・シソコはその条件を満たす存在であり、彼の加入は中盤の安定感を高めるだけでなく、チーム全体の戦術的柔軟性を広げるだろう。
もちろん、彼一人の加入で順位が劇的に改善するわけではない。しかし、ファルケ監督が求める「規律と走力を兼ね備えた中盤」を形成する上で、イスフ・シソコは欠かせないピースとなるはず。
リーズがこの冬にどれだけ積極的に動けるかが、シーズン後半の命運を左右する。イスフ・シソコがその象徴的な第一歩となるなら、ファンにとっても希望の光となるだろう。
