マンチェスター・ユナイテッドはスポルティングCPのセンターバック、ウスマン・ディオマンデ獲得に向けて本格的な動きを見せている。スペイン紙『Fichajes』の報道によれば、ルベン・アモリム監督がクラブ上層部に対して強く補強を要望し、1月の移籍市場で5000万ユーロ規模のオファーを準備しているという。
ディオマンデは21歳にしてポルトガルリーグ屈指のセンターバックへと成長した。190cm近い体格を持ちながら、俊敏なカバーリングと対人守備の強さを兼ね備え、さらに後方からのビルドアップでも存在感を発揮する。現代サッカーに不可欠な「攻撃の第一歩」を担える選手で、特に縦パスの精度と、相手のプレスを外す落ち着きは、ユナイテッドが長らく欠いてきた要素である。
ユナイテッドの守備陣はここ数年、安定感を欠いてきた。ハリー・マグワイアは年齢的にピークを過ぎ、リサンドロ・マルティネスは負傷離脱が続き、レニー・ヨロやマタイス・デ・リフトらも絶対的な活躍を披露できておらず、ディオマンデはまさに理想的なターゲットだ。
プレミアリーグでの競争と移籍の行方
興味深いのは、ディオマンデを巡る競争がユナイテッドだけにとどまらない点。リヴァプールもマルク・グエヒ獲得に失敗した場合の代替候補としてディオマンデに関心を寄せている。さらに、チェルシーやブライトン、さらにはバイエルン・ミュンヘンまで名前が挙がっており、ヨーロッパ全体で注目を集める存在となっている。
スポルティング側は最低でも5100万ポンドを要求しているとされ、交渉は容易ではない。しかし、ユナイテッドにとっては将来を見据えた投資として十分に価値がある。過去にリオ・ファーディナンドやネマニャ・ヴィディッチといった名センターバックを擁して黄金期を築いたクラブにとって、ディオマンデは新たな守備の象徴となり得る。
アモリム監督が古巣スポルティングから再び選手を引き抜こうとしている点も注目に値する。夏にはヴィクトル・ギョケレス獲得を試みたが、最終的にアーセナル行きが決まった。
今回は守備の補強に焦点を当て、かつて指導したディオマンデを呼び寄せようとしている。監督と選手の信頼関係は移籍後の適応を大きく左右するため、ユナイテッドにとっては大きなプラス材料だ。
個人的な見解
私はこのディオマンデ獲得の動きに、ユナイテッドの未来を左右する決断の重みを感じている。
クラブは長らく守備の不安定さに悩まされてきたが、ディオマンデのようにフィジカル、スピード、戦術理解を兼ね備えた若手を迎え入れることは、再建の基盤を築く行為となる。
彼が加入すれば、ユナイテッドは守備の安定を取り戻すだけでなく、攻撃の組み立てにおいても新たな次元に到達できるだろう。
また、プレミアリーグの激しい競争を考えれば、ディオマンデのような選手を確保することは他クラブへの牽制にもなる。
リヴァプールやチェルシーが同じ選手を狙っている中で、ユナイテッドが先手を打てば、クラブの野心を示す強烈なメッセージとなる。
もしこの移籍が実現すれば、数年後には彼がオールド・トラッフォードの新たな象徴として、ファーディナンドやヴィディッチの系譜に名を連ねる姿が見られるかもしれない。
