ユヴェントスの心臓を巡る攻防戦、ケフラン・テュラムにリヴァプールとレアルが迫る

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ユヴェントスの心臓を巡る攻防戦、ケフラン・テュラムにリヴァプールとレアルが迫る Liverpool

ユヴェントスの背番号19が、いま欧州の移籍市場で最も熱い視線を浴びている。ケフラン・テュラムは、父リリアンの栄光を継ぐだけでなく、自らの足で“中盤の覇者”としての道を切り拓いてきた。

2024年夏にニースからユヴェントスへ加入して以来、セリエAの舞台で圧倒的な存在感を放ち、今季も公式戦9試合に出場。先日のレアル・マドリード戦では62分間プレーし、堅実な守備と巧みな配球で観る者を唸らせた。

そんなテュラムに、リヴァプールとレアル・マドリードという欧州の巨人が本格的な関心を寄せている。両クラブともに中盤の再構築を急務としており、24歳のフランス代表MFはその中核を担える逸材としてリストアップされていると、スペイン紙『Fichajes』が伝えた。

リヴァプールが描く“中盤の再構築”にテュラムは不可欠か

アルネ・スロット新体制のもと、リヴァプールは中盤の刷新を進めてきた。アレクシス・マック・アリスターやドミニク・ソボスライ、ライアン・フラーフェンベルフといった攻撃的MFの補強は進んだが、ファビーニョ退団以降、守備的なバランサーの不在は依然として課題として残っている。

テュラムはその空白を埋めるにふさわしい存在になり得る。192cmの長身を活かした空中戦の強さ、広範囲をカバーする守備力、そして試合のテンポを自在に操るパスセンス。今季セリエAでは7試合に出場し、1ゴール1アシストを記録。前方へのパス成功率は87.6%と高水準を維持しており、攻守両面での貢献度は際立っている。

さらに注目すべきは、戦術的柔軟性。ユヴェントスではアンカー、インサイドハーフ、時にはセンターバックの間に落ちてビルドアップを助ける役割も担っており、スロットの可変システムにおいても即戦力としてフィットする可能性が高い。

レアル・マドリードの“次世代中盤”構想とテュラムの適性

一方、レアル・マドリードもテュラムに強い関心を示している。シャビ・アロンソ新監督は、トニ・クロースの後継者探しを進める中で、守備と展開の両面に長けた選手を求めている。カマヴィンガやチュアメニといった若手はすでに台頭しているが、テュラムのような“フィジカルと知性を兼ね備えた”MFは、彼らと異なるタイプとして重宝されるだろう。

実際、10月23日に行われたチャンピオンズリーグの直接対決では、テュラムがレアル相手に堂々たるプレーを披露。62分間の出場でボールロストはわずか1回、守備では1対1の局面でヴィニシウス・ジュニオールを封じ込める場面もあり、スペインメディアからは「マドリードの芝に新たな支配者が現れた」と評された。

レアルはすでに代理人と接触を図っており、来夏の本格オファーに向けた準備を進めているという。ユヴェントスとの契約は2029年まで残っているが、7000万ユーロという評価額は、両クラブにとって現実的な投資対象と言える。

ユヴェントスのスタンスと、選手の意思

とはいえ、ユヴェントスは現時点でテュラムの放出に強く抵抗している。クラブは売却に積極的ではなく、リヴァプールからの打診にも応じていない。トゥドール監督の下で中盤の要として定着しており、今季のクラブの戦術的中核を担う存在として、簡単に手放すつもりはない。

しかし、移籍市場において“選手の意思”は無視できない要素だ。テュラム自身はまだ明確な移籍希望を表明していないものの、プレミアリーグやラ・リーガでのプレーに対する憧れは公然の事実。特に、リヴァプールとはニース時代から接触があった経緯もあり、アンフィールドの熱狂に身を投じる未来を思い描いていても不思議ではない。

個人的な見解

ケフラン・テュラムのように守備と攻撃の両面で高い水準を保ち、かつ戦術的な柔軟性を持つ選手は、いまやどのクラブにとっても喉から手が出るほど欲しい存在。

個人的には、リヴァプールでのプレーを見てみたい。スロットのダイナミックな戦術の中で、テュラムがどのように進化するのか。

その姿は、かつてのスティーヴン・ジェラードやファビーニョとは異なる、新たな“レッズの心臓”を体現するものになるだろう。

一方で、レアル・マドリードの白いユニフォームに身を包み、CLの舞台で躍動する姿もまた魅力的だ。いずれにせよ、2026年夏の移籍市場において、彼の名前が最も注目されることは間違いない。