テオ・エルナンデスの後継者か、それとも新時代の象徴か!?バルテサーギを巡る移籍戦線

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テオ・エルナンデスの後継者か、それとも新時代の象徴か!?バルテサーギを巡る移籍戦線 Arsenal

ACミランの左サイドバック、ダヴィデ・バルテサーギは19歳にして欧州の移籍市場で最も注目される若手の一人となっている。193センチの長身を誇る彼は、空中戦の強さと守備範囲の広さを兼ね備え、さらに左足から繰り出すビルドアップ能力でチームに安定感をもたらしている。

今季はセリエAで4試合に出場し、まだ出場時間は限られているものの、トップチームに完全昇格したばかりの若手としては順調なステップを踏んでいる。

バルテサーギはアタランタの下部組織を経て、幼少期からACミランのユースに在籍してきた生え抜きの逸材だ。ユース時代にはFWやウイング、さらにはメッツァーラとしてもプレーしており、その多様な経験が現在の攻撃的なサイドバックとしての柔軟性につながっている。

守備者でありながら、相手陣内に深く切り込む推進力を持ち、クロスの精度も高い。こうした特性は、現代サッカーにおいて希少価値が高く、欧州のトップクラブが放っておくはずがない。

バルセロナとアーセナルが描く獲得戦略

イタリアメディア『Milan Live』によれば、バルセロナとアーセナルがバルテサーギに強い関心を寄せている。アーセナルのミケル・アルテタは、複数ポジションをこなせる守備者を好む傾向があり、バルテサーギは左サイドバックだけでなくセンターバックとしても育成可能な点で理想的なターゲットだ。

一方、バルセロナも若手主体の再建を進める中で、左サイドの将来を担える逸材を探しており、バルテサーギはその条件に合致する。

ただし、ACミランは2025年5月に彼と2030年までの長期契約を結んでおり、移籍を実現させるには相応の移籍金が必要になる。クラブとしても、ルカ・ディーニュらの補強候補をリストアップしつつも、バルテサーギを手放す意思は強くない。したがって、両クラブの動きは短期的な獲得というよりも、中長期的な投資の一環としてのスカウティングに近い。

プレースタイルと成長の可能性

バルテサーギのプレースタイルは、守備の堅実さと攻撃参加の積極性を兼ね備えている点に特徴がある。ユース時代に攻撃的ポジションを経験したことで、相手を背負った状態からのターンや縦への推進力に優れており、単なる守備専任のサイドバックではない。むしろ、現代サッカーで求められる「攻撃の第一歩を担う左サイドバック」としての資質を備えている。

また、193センチというサイズを活かした空中戦の強さは、セットプレーの守備だけでなく攻撃面でも武器となる。実際、ユース時代にはヘディングでの得点も多く記録しており、今後トップチームでの出場機会が増えれば、得点力という新たな側面も開花する可能性がある。

現時点での市場価値は約300万ユーロとされているが、これはあくまで現時点での評価に過ぎない。もし今季後半戦で出場機会を増やし、セリエAやチャンピオンズリーグでインパクトを残せば、その価値は一気に跳ね上がるだろう。特に、バルセロナやアーセナルのようなクラブが本格的に獲得に動けば、移籍金は2000万ユーロを超える水準に達する可能性もある。

個人的な見解

バルテサーギは、現代サッカーにおける「育成と即戦力の狭間」を象徴するかのような存在と言える。

ACミランはテオ・エルナンデスという世界的な左サイドバックを失ったが、外部補強ではなくユース育成の成果を信じて彼を抜擢した。その決断が功を奏しつつある今、クラブとしては彼を中核に据えて新たなサイクルを築くべきだと感じる。

一方で、バルセロナやアーセナルのようなクラブが早い段階から関心を寄せるのは、彼のポテンシャルが「有望株」の域を超えていることを示している。

守備者としての基礎能力に加え、攻撃面での柔軟性を備えた左利きの大型ディフェンダーは希少価値が高い。もし数年後に移籍が実現すれば、欧州の移籍市場を揺るがす存在になるだろう。