ジョシュア・ザークツィーの未来はオールド・トラッフォードには残されていない。トルコ人ジャーナリストのエクレム・コヌル氏によれば、マンチェスター・ユナイテッドはすでに彼の売却を決断し、契約解除も視野に入れているようだ。
🚨🆕 #ManchesterUnited 🇳🇱
— Ekrem KONUR (@Ekremkonur) October 25, 2025
Joshua Zirkzee is preparing to submit a formal transfer request to leave Manchester United in January.
👀Clubs from Premier League and Italy are showing interest, with Roma, Napoli, and Como closely monitoring the situation. pic.twitter.com/ZygV5lNAlu
昨季は公式戦49試合に出場し7ゴール3アシストを記録したが、今季はプレミアリーグでわずか82分の出場にとどまり、ゴールもアシストもゼロ。ルベン・アモリム監督の下で序列を大きく下げ、完全に構想外となっている。
ユナイテッドは今夏、ベンヤミン・シェシュコ、マテウス・クーニャ、ブライアン・エンベウモといった攻撃陣を補強。結果として、ザークツィーはベンチ要員に押しやられた。
24歳という伸び盛りの時期に、シーズン序盤でわずか4試合の途中出場しか与えられない現実は、選手としての成長を阻害するだけでなく、2026年北中米ワールドカップを目指すオランダ代表での立場にも直結。ロナルド・クーマン監督は「継続的な出場機会が代表入りの条件」と明言しており、このままでは招集リストから外れる危険性が高い。
クラブにとっても、ザークツィーを残すメリットは薄れている。昨季の数字を見れば一定の貢献はあったが、今季の戦力構想では居場所を失っており、ベンチに置いておくよりも移籍金を回収する方が合理的だ。アモリム監督も会見で「出場機会に不満を抱くのは当然だ」と語り、事実上の放出容認を示唆している。
新天地候補とプレースタイルの再評価
ザークツィーに関心を示しているクラブは少なくない。ローマとコモがセリエA復帰の可能性を探っており、さらにプレミアリーグ内ではウェストハムが有力な移籍先として浮上している。
彼の魅力は、193センチの長身を生かした空中戦の強さと、足元の柔らかい技術を兼ね備えている点にある。ボローニャ時代にはセリエAで13ゴールを挙げ、ポストプレーとリンクマンとしての役割を両立させた。高さだけのターゲットマンではなく、周囲を生かすプレーメーカー的な要素を持つ点が、彼を特別な存在にしている。
ローマのように前線に起点を置いて攻撃を組み立てるクラブにとっては理想的な補強候補であり、またウェストハムのようにカウンター主体で前線に高さとキープ力を求めるチームにとっても適合性は高い。さらに、コモのように成長途上のクラブであれば、彼を中心に据えた戦術構築も可能だろう。
ザークツィー自身も、代表復帰を見据えるならば出場機会を最優先に考えるはずだ。セリエAでの成功体験は彼にとって大きな財産であり、再びイタリアの地で輝きを取り戻すシナリオは十分に現実的だ。
個人的な見解
ザークツィーの現状は、ビッグクラブにおける競争の厳しさを鮮明に映し出している。
ユナイテッドは確かに攻撃陣を刷新し、即戦力を揃えたが、その裏で成長途上の選手が犠牲になった。ザークツィーはまだ24歳。キャリアのピークを迎える前に、試合に出られる環境を選ぶことが何よりも重要だ。
私自身は、彼がセリエAに戻る可能性を最も高く見ている。ボローニャ時代に築いた評価は今も残っており、イタリアの戦術的な環境は彼の特性を引き出しやすい。
もちろん、プレミアリーグに残ってウェストハムで挑戦する道も魅力的だが、代表入りを確実にするためには、出場機会を最優先に考えるべきだ。
ザークツィーの決断は、キャリアの方向性そのものを左右する。2026年W杯を夢見る彼にとって、この冬の選択は未来を決定づける。
ファンとしては、彼が再びピッチで躍動する姿を見たい。その舞台がオールド・トラッフォードであれ、ローマのスタディオ・オリンピコであれ、彼の才能が埋もれることだけは避けてほしい。
