イヴ・ビスマ獲得に動くユベントス、トゥドール体制の中盤改革に不可欠な“潰し屋”

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ユヴェントス、トッテナムMFイヴ・ビスマに関心か?中盤再構築のキーマンに浮上! Tottenham Hotspur

イヴ・ビスマの名前が、再びイタリアの移籍報道に浮上している。トッテナムでの契約が2026年夏に満了を迎えるこのマリ代表MFに対し、ユベントスが強い関心を示しているとイタリア紙『Tuttomercato』が報じた。

29歳という年齢は、即戦力としての信頼性と、数年先まで計算できる安定感を兼ね備えている。ユベントスが描く中盤再編の構想において、彼の存在はただのターゲットではなく、戦術的な核となり得る。

トリノのクラブは、今季からイゴール・トゥドール監督の下で新たなスタイルを模索している。ポゼッションとトランジションの両面を重視するその戦術には、技術と強度を兼ね備えた中盤の構築が不可欠だ。

現有戦力では、ロカテッリやミレッティ、テュラムらが中心となっているが、守備的な強度に課題が残る。そこで浮上したのが、プレミアリーグで“潰し屋”として名を馳せたビスマの名前だ。

イヴ・ビスマのプレースタイルとユベントスの戦術的ニーズ

ビスマの最大の魅力は、ボール奪取能力とプレッシング耐性にある。ブライトン時代から定評のある守備的センスに加え、トッテナムではより広範囲をカバーする役割を担い、デュエル勝率やインターセプト数、パス成功率など、データ面でも安定したパフォーマンスを示してきた。特に2024-25シーズンでは、トッテナムの中盤において最も多くのタックル成功数を記録しており、守備的MFとしての信頼度は高い。

ユベントスが求めるのは、単に守れる選手ではない。トゥドール体制では、守備から攻撃への切り替えが速く、ボールを奪った瞬間に前進できる選手が重宝される。ビスマはその条件に合致するだけでなく、プレミアリーグで培った経験値を武器に、若手との相乗効果も期待できる。ユベントスの中盤に新たな重心をもたらすだろう。

また、ビスマは戦術的な柔軟性も持ち合わせている。4-2-3-1のダブルボランチでも、3-5-2のアンカーでも機能する汎用性は、トゥドールが試合ごとに布陣を変えるスタイルにおいて極めて重要だ。守備的な局面ではライン間を埋め、攻撃時には縦パスの起点となる。こうした“二刀流”の働きができる選手は、現在のユベントスには不足している。

経済的合理性と移籍の現実性

ユベントスは2027年までに構造的な黒字回帰を目指しており、移籍市場ではコストパフォーマンスが重視されている。その点で、契約満了が近づくビスマは理想的なターゲットとなる。移籍金が発生する場合でも、評価額は2500万ユーロ前後とされており、セリエAのクラブにとっては現実的な範囲内。さらに、トッテナム側も中盤の若返りを進めており、放出に前向きな姿勢を見せているという。

年俸面では、プレミアリーグ水準の待遇を求める可能性があるが、ユベントスは近年、給与構造の見直しを進めており、パフォーマンスに応じたインセンティブ型契約を導入している。ビスマがセリエAでの挑戦に意欲的であれば、条件面での折り合いは十分に可能だろう。

さらに、ユベントスは中盤の再編において、若手と経験者のバランスを重視している。ビスマのような戦えるベテランは、若手の成長を促す存在としても価値がある。彼の加入は、チーム全体の成熟度を引き上げる効果をもたらすはず。

個人的な見解

イヴ・ビスマのユベントス移籍は、穴埋めでは終わらない可能性を秘めている。

彼のような選手が中盤に加わることで、トゥドール監督の戦術はよりダイナミックに進化するだろう。守備的な強度とボール保持の安定性を兼ね備えたビスマは、セリエAの舞台でこそ真価を発揮できると感じる。

また、ユベントスがこのタイミングで彼に注目する背景には、クラブの再構築への本気度がある。若手中心の編成から、経験と即戦力を織り交ぜたバランス型へと移行する中で、ビスマのようなベテランの存在は不可欠だ。

この移籍が実現すれば、ユベントスの中盤は確実に一段階上のレベルへと引き上げられる。ファンとしても、彼のような選手がトリノの地で躍動する姿を見たいと心から思う。