リヴァプール、レアル、バイエルンが狙うファン・デ・フェン、トッテナムが1億ユーロ要求へ!

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リヴァプール、レアル、バイエルンが狙うファン・デ・フェン、トッテナムが1億ユーロ要求へ! Liverpool

ピッチを切り裂くようなスプリントで、相手のカウンターを一瞬で無力化する。そんな“異次元のスピード”を武器に、トッテナムの守備陣を支えるミッキー・ファン・デ・フェンが、今冬の移籍市場で最も注目を集める存在となっている。

スペイン紙『Fichajes』によれば、トッテナムはこの24歳のオランダ代表CBに対し、1億ユーロという強気のプライスタグを設定。リヴァプール、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンといった欧州の名門が獲得に動いているという。

2023年夏にヴォルフスブルクから加入した際の移籍金は4300万ポンド。わずか2年で評価額が倍以上に跳ね上がった背景には、現代型CBとしての完成度と、プレミアリーグでの圧倒的なパフォーマンスがある。

ファン・デ・フェンの真価、スピード、左足、そして冷静さ

ファン・デ・フェンの最大の特徴は、193cmという長身からは想像できないほどのスピードだ。2024-25シーズンには、プレミアリーグで最速スプリント記録(時速37.38km)を叩き出し、攻守両面でその爆発力を見せつけた。

また、左利きのCBという希少性も、彼の市場価値を押し上げている。ビルドアップ時には左足から鋭い縦パスを供給し、相手のプレスを一手で無力化する場面も多い。実際、今季のプレミアリーグにおける前方へのパス成功率は87.4%と、リーグ平均を大きく上回っている。

さらに特筆すべきは、若さに似合わぬ冷静さと判断力だ。1対1の対応では無理に飛び込まず、相手の動きを読み切ってからボールを奪うスタイルを徹底しており、今季のタックル成功率は驚異の78%。カードをもらわずに守備を完遂するその姿勢は、まさに“知性と闘志の融合”と呼ぶにふさわしい。

彼のプレーは、守備者であると同時に攻撃の起点としても機能する。ライン間へのパス、縦への持ち運び、そしてセットプレーでの得点力。今季すでに公式戦5ゴールを記録しており、これはアーセナルのガブリエウを凌ぐDF最多得点だ。

リヴァプールが狙う理由と、他クラブとの駆け引き

リヴァプールがファン・デ・フェンに注目するのは、守備の穴埋めではなく、未来のチーム構築に向けた戦略的な一手だ。フィルジル・ファン・ダイクの後継者探しが本格化する中、同郷の若きCBは理想的なプロファイルを備えている。加えて、今季から指揮を執るアルネ・スロット監督はオランダ人であり、戦術的な共通言語を持つ点も大きなアドバンテージだ。

現在のリヴァプールは、イブラヒマ・コナテの契約問題やジョー・ゴメスのイタリア行きが迫る中で、センターバックの層に不安を抱えている。特にスロット体制では、後方からのビルドアップとラインの押し上げが求められるため、スピードと配球力を兼ね備えたCBの補強は急務。

一方で、レアル・マドリードもファン・デ・フェンに強い関心を示している。アントニオ・リュディガーとダヴィド・アラバの高齢化が進む中、次世代の守備リーダーを探しており、左利きで戦術理解度の高いファン・デ・フェンはまさにうってつけの存在となる。さらに、バイエルン・ミュンヘンもオランダ人CBの補強を検討しているとされる。

このように、欧州3強が同時に動くことで、今冬の移籍市場はファン・デ・フェンを巡る熾烈な争奪戦となる可能性が高い。

トッテナムとしては、契約が2029年まで残っていることを盾に、売却を拒否する構えを見せているが、1億ユーロという金額は、クラブの財政状況や選手の意向次第では交渉のテーブルに乗る可能性も否定できない。

個人的な見解

ファン・デ・フェンのプレーを観るたびに感じるのは、“守備の概念を塗り替える存在”としての可能性だ。

空中戦に強く、フィジカルで圧倒するタイプの従来のCB像とは一線を画し、彼はスピードと知性、そして技術で相手を封じ込める。

まるで中盤の選手が最終ラインに降りてきたかのような柔軟性と視野の広さは、今後のサッカーにおけるCB像を変えていくかもしれない。

リヴァプールにとって、彼の獲得は守備の穴埋めではなく、未来のチームビルディングの核となる決断になり得る。

ファン・ダイクの後継者としてだけでなく、スロット体制の象徴的存在として、アンフィールドの未来を託すに値する人材だ。

もちろん、1億ユーロという金額は軽くない。だが、もしその投資が“10年先の安心”を買うものだとすれば、決して高くはないと私は思う。冬の移籍市場での動向から、目が離せない。