アストン・ヴィラはプレミアリーグで中位に位置しながらも、欧州カップ戦出場権を再び狙える位置につけている。ウナイ・エメリの下で戦術的な柔軟性を高めてきたクラブは、冬の移籍市場に向けて新たな補強ターゲットを明確にしている。その中心にいるのが、クルゼイロのストライカー、カイオ・ジョルジだ。
23歳のブラジル人フォワードは、2024/24シーズンにおいてブラジレイロンで17ゴールを挙げた。ユヴェントスでの挑戦を経て母国に戻った彼は、再び欧州の舞台に立つ準備を整えている。
契約は2029年まで残っており、クルゼイロは2500万ユーロ以下の交渉には応じない姿勢を示している。市場価値は1700万ユーロとされるが、得点力と年齢を考えれば、プレミアリーグクラブにとっては投資に値する存在。
さらに、ヴィラはグレミオのアタッカー、アリソンにも関心を寄せている。彼のスピードと突破力は、プレミアリーグの激しい試合展開に新たな変化をもたらす可能性がある。両選手を同時に狙う背景には、単なる戦力補強ではなく、クラブの国際的なブランド力を高める狙いがある。南米市場から即戦力を獲得することは、将来的な転売益を見込める投資でもあるのだ。
カイオ・ジョルジのプレースタイルとヴィラへの適合性
カイオ・ジョルジの最大の武器は、冷静なフィニッシュとポジショニングセンスだ。ペナルティエリア内での動きは鋭く、相手ディフェンダーの視界から消えるタイミングで飛び出す能力に長けている。
さらに、いわゆるゴールゲッターではなく、周囲を活かすプレーも得意とする。ポストプレーで味方を引き出し、二列目の選手にスペースを提供する動きは、エメリの戦術において重要な役割を果たすだろう。
ヴィラの現状を考えると、オリー・ワトキンスが攻撃の中心を担っているが、彼一人に依存する形では長期戦を戦い抜くのは難しい。カイオ・ジョルジが加われば、ワトキンスとの2トップ、あるいはローテーションによる得点力の維持が可能になる。プレミアリーグの強度に適応できるかは未知数だが、ブラジルでの得点力を考えれば、十分に期待できる。
一方、アリソンはサイドからの推進力を持つ選手であり、ヴィラの攻撃に新たなオプションを提供する。彼の突破力は、相手ディフェンスを引き裂き、中央のストライカーに決定機を供給する役割を担える。エメリの戦術は柔軟性を重視しており、サイドからの攻撃を強化することは大きな意味を持つ。
個人的な見解
今回のアストン・ヴィラがプレミアリーグで安定して上位を狙うためには、既存戦力の底上げだけでなく、爆発力を持つ新戦力の投入が不可欠。
カイオ・ジョルジはその条件を満たす存在であり、もしヴィラが獲得に成功すれば、ワトキンスとの2トップ、あるいはローテーションによる得点力の維持が可能になるだろう。
彼の冷静なフィニッシュとポジショニングセンスは、プレミアの激しい試合展開でも十分に通用するはずだ。
一方で、アリソンの加入は即戦力というよりも、戦術的オプションの拡大という意味合いが強い。エメリの戦術は柔軟性を重視しており、サイドからの推進力を持つ選手は常に重宝される。両選手の同時獲得が実現すれば、ヴィラの攻撃はより多彩になり、欧州カップ戦でも存在感を示せる可能性が高まる。
個人的には、カイオ・ジョルジがプレミアの舞台でどこまで得点力を発揮できるかに大きな期待を寄せている。
ユヴェントス時代は怪我や出場機会の少なさに苦しんだが、ブラジルで再び輝きを取り戻した今こそ、真価を示すタイミングだ。ヴィラがこの賭けに出るなら、彼のキャリアとクラブの未来を同時に変える、大きな転機となるだろう。
