インテル・ミラノがアストン・ヴィラのセンターバック、エズリ・コンサ獲得に本格的な関心を示している。イタリアメディア『L’Interista』の報道によれば、ヴィラはコンサを約3080万ポンドで放出する可能性があり、インテルはこの割安とも言える価格に強く惹かれている。
コンサは2019年にブレントフォードからヴィラへ加入し、クラブの守備を支える存在へと成長した。冷静なポジショニング、対人の強さ、そしてビルドアップにおける安定感は、プレミアリーグでも高く評価されている。
2023年にはイングランド代表に招集され、以降は定期的にスリーライオンズの一員として国際舞台に立っている。今季も既にプレミアリーグで9試合に出場し、ヴィラの堅守を象徴する存在となっている。
インテルは近年、守備陣の再構築を進めており、経験豊富で即戦力となるセンターバックを求めている。コンサのプレースタイルはセリエAの戦術的要求に合致しており、特に3バックを採用するシモーネ・インザーギのシステムにおいて、彼の冷静な守備対応と柔軟なビルドアップ能力は大きな武器となるだろう。
プレミア勢との競合と移籍市場の駆け引き
コンサの名前はインテルだけでなく、リヴァプール、マンチェスター・シティ、トッテナムといったプレミアリーグの強豪とも結びついている。リヴァプールは守備の安定化を急務としており、コンサの冷静な守備対応はアルネ・スロットの戦術にフィットする可能性が高い。
マンチェスター・シティはジョゼップ・グアルディオラの下で多様なビルドアップを展開しており、コンサのパス精度と判断力は魅力的に映る。トッテナムもトーマス・フランクの攻撃的スタイルを支えるため、守備の補強を必要としている。
ヴィラにとっては、コンサの放出は戦力的に大きな痛手だ。クラブの守備の中心であり、リーダーシップを発揮してきた存在だ。しかし、プレミアリーグのPSR(Profitability and Sustainability Rules)に対応するため、財務的な事情がクラブを追い詰めている。
3080万ポンドという価格は、クラブにとって現実的な選択肢となり得るが、コンサの価値を考えれば安売りと言っても過言ではない。
さらに、インテルは他の候補としてナタン・アケやマヌエル・アカンジといった選手もリストアップしているが、コンサは即戦力性と経験の両面で最も魅力的なターゲットとされている。この競合関係が移籍市場をさらに熱くしている。
個人的な見解
エズリ・コンサの移籍話は、単なる噂の域を超えている。ヴィラが財務的に選手売却を迫られている現実、そしてインテルが守備の補強を急務としている状況が、双方の利害を一致させている。
3080万ポンドという金額は、プレミアリーグで安定したパフォーマンスを続けるコンサにとっては低すぎる評価だと感じる。インテルがこの価格で獲得できれば、まさに「掘り出し物」と言えるだろう。
ただし、プレミア勢の動きは見逃せない。特にリヴァプールが本格的に参戦すれば、コンサの移籍先はセリエAではなく再びプレミアリーグの舞台になる可能性が高い。
私自身の見立てでは、コンサは戦術理解度の高さと冷静な守備対応から、セリエAのインテルでこそ真価を発揮できるタイプだと思う。だが、最終的に彼が選ぶのは「ステップアップの舞台」と「クラブ経営の現実」の交差点になるだろう。
この移籍が成立すれば、インテルは守備の安定性を一気に高め、欧州の舞台で再び存在感を示す可能性がある。
ヴィラにとっては痛みを伴う決断だが、クラブ経営の現実を考えれば避けられない選択かもしれない。コンサの未来は、今まさに移籍市場の駆け引きの中心にある。
