クリスタル・パレスの主将マルク・グエヒを巡る移籍戦線は決定的な局面を迎えている。英『Daily Mail』のジャーナリスト、ルイス・スティール氏によれば、グエヒは来夏にリヴァプールへ移籍することを「言葉で約束」したという。
さらに、クラブのオーナーであるFenway Sports Group(FSG)がこの取引を完了できると強い自信を持っていると報じている。英『DaveOKop』もグエヒは最終的にリヴァプールの選手になると確信していると伝えており、複数の情報源が同じ方向性を示している。
この背景には、グエヒが契約延長を拒否し、2026年6月で現行契約が終了するという事実がある。プレミアリーグで安定した守備を披露し続ける彼は、今季も空中戦勝率57%、デュエル勝率73%、平均9.8回のボール回収を記録しており、守備面での存在感は際立っている。リヴァプールが彼をファン・ダイクやコナテの後継者として位置づけるのは自然な流れだ。
リヴァプールの守備再建とグエヒの役割
リヴァプールは今夏、グエヒ獲得に失敗した。今夏の移籍マーケットの締切日において3500万ポンドのオファーを提示し、選手はメディカルチェックまで進んでいたが、クリスタル・パレスが代替選手を確保できず、交渉は破談となった。この「未完の移籍劇」が、来夏に再燃するのは必然だ。
アルネ・スロット監督が志向するポゼッション型守備構築において、グエヒは理想的なピースとなる。彼のパス成功率は88%に達し、後方からの展開力はリヴァプールの攻撃をさらに多彩にする。さらに、冷静な判断力とリーダーシップは、ファン・ダイクが築いた守備哲学を継承しつつ、新たな世代の象徴となる可能性を秘めている。
また、フランス代表DFイブラヒマ・コナテの契約満了に伴う退団の可能性に加えて、28歳の最古参DFジョー・ゴメスにはACミランが熱視線を送っており、この夏にパルマから加わった18歳DFジョヴァンニ・レオーニとともに守備陣の再構築の中心になり得る選手を求めている。
そこに、キャプテンシーも兼ね備えた経験豊富なグエヒは理想的なターゲットであることに間違いなく、ましてフリートランスファーで獲得できるとなれば、全力を傾けない理由がない。
個人的な見解
グエヒの移籍は、リヴァプールにとって守備の世代交代を象徴する一手になると考えている。ファン・ダイクがキャリアの終盤に差し掛かり、コナテが退団濃厚な今、クラブは次世代の守備リーダーを必要としている。
グエヒはその役割を担うだけの資質を備えており、冷静さとリーダーシップを兼ね備えたプレースタイルは、アンフィールドの空気に自然に溶け込むだろう。
一方で、バイエルンやバルセロナといった強豪クラブも獲得に動いているため、リヴァプールが油断すれば競争に敗れる可能性もある。
しかし、選手本人がアンフィールドを望み、さらにFSGやクラブ関係者が自信を示しているという事実は、他クラブにはない強みだ。
私自身、この移籍が成立すれば、リヴァプールの守備陣は再び欧州トップレベルに返り咲くと確信している。グエヒが赤いユニフォームに袖を通す瞬間は、クラブの未来を大きく変える一歩になるだろう。
