ニューカッスル・ユナイテッドはブラジル人MFジョエリントンの退団を認めるつもりはない。英『Football Insider』の最新報道によれば、クラブは彼を中盤の中心として位置づけ、移籍市場での放出を完全に否定。これは慰留ではなく、クラブの競争力を維持するための戦略的な選択だ。
ジョエリントンは2019年にホッフェンハイムから加入した際、ストライカーとして期待された。しかしゴール前での決定力不足に苦しみ、スティーブ・ブルースの下で中盤へとコンバートされた。
その転身が彼のキャリアを一変させた。フィジカルの強さ、ボール奪取能力、そして献身的な走力は、ニューカッスルの中盤に新たな軸をもたらした。エディ・ハウの戦術においても、彼はブルーノ・ギマランイスやサンドロ・トナーリと並び、攻守のバランスを支える存在となっている。
今季もジョエリントンは重要な役割を担っている。直近のチャンピオンズリーグ、アスレティック・ビルバオ戦ではヘディングでゴールを決め、クラブの勝利に貢献した。
一方で、プレミアリーグではウェストハム戦で3-1の敗北を喫し、チーム全体のパフォーマンスに疑問符がついた。その中でジョエリントンのフォーム低下も指摘されているが、クラブは依然として彼を手放す考えを持っていない。
ニューカッスルがジョエリントン放出を拒む背景
ニューカッスルは現在、プレミアリーグとチャンピオンズリーグを並行して戦っている。過密日程の中で中盤の選手層は明らかに不足しており、ジョエリントンを失うことは致命的な打撃となる。
クラブはアタランタのエデルソン獲得を検討していると報じられている。これはジョエリントンの代替ではなく、彼の負担を軽減し、長期的に中盤の競争力を維持するための補強だ。
ジョエリントンはこれまでニューカッスルで234試合に出場し、31ゴール21アシストを記録している。昨季はEFLカップで70年ぶりのタイトル獲得にも貢献し、クラブの歴史に名を刻んだ。ファンからの支持も厚く、彼の残留はチームの士気を高める要因となっている。
ただし、クラブ内部では「ジョエリントン後」を見据えた議論も始まっている。フィットネスの問題やパフォーマンスの波を考慮し、後継計画が検討されている。それでも現時点で彼を放出する選択肢はなく、むしろ彼を中心に据えた補強戦略が進められている。
個人的な見解
ジャーナリストとしての視点から言えば、ジョエリントンの残留はニューカッスルにとって極めて合理的だ。彼は中盤の守備的強度を高めるだけでなく、攻撃の起点としても機能する。
ストライカーとして苦しんだ過去を乗り越え、今では中盤の支柱としてチームを牽引している。その姿はクラブの再建と挑戦の象徴であり、ファンにとっても誇りだ。
ただし、現状の中盤の層の薄さは深刻。ブルーノ・ギマランイスやトナーリとのトリオは強力だが、負傷や過密日程を考えれば補強は不可欠だろう。
エデルソンのような選手が加入すれば、ジョエリントンの負担は軽減され、より長期的に安定したパフォーマンスを発揮できるはずだ。ニューカッスルが本気で国内外のタイトルを狙うなら、ジョエリントンを中心に据えつつも周囲を強化することが鍵になる。
結論として、ジョエリントンは今後数年にわたりニューカッスルの心臓部であり続けるだろう。
彼の残留はクラブの未来を支える大黒柱であり、その存在感は数字以上にチームの精神的支柱となっている。ニューカッスルが次のステージへ進むためには、彼を守り抜き、さらに中盤を厚くすることが不可欠だ。
