ウエストハム・ユナイテッドはプレミアリーグで18位に沈み、危機感を募らせている。ヌーノ・エスピリト・サント監督の下で直近2試合を連勝したものの、依然として降格圏から抜け出せず、冬の移籍市場での補強は不可欠。
そこでクラブが目を付けたのは、トッテナム所属でビジャレアルにローン中のイスラエル代表ウィンガー、マノル・ソロモンであると、海外メディア『El Peridico Mediterraneo』が伝えた。
ソロモンは2023年にトッテナムへ加入したが、定位置を確保できず、昨季はリーズ・ユナイテッドでプレー。チャンピオンシップでは10ゴール12アシストを記録し、クラブの昇格に大きく貢献した。
しかし今季ビジャレアルに渡ると、序盤こそゴールとアシストで存在感を示したものの、その後は出場機会が激減。マルセリーノ監督の構想外となり、ここまでリーガでわずか4試合の出場にとどまっている。さらに背中の負傷で12月まで戦列を離れる見込みで、本人も早期の移籍を望んでいる。
ウエストハムは攻撃陣の厚み不足に悩まされている。ジャロッド・ボーウェンが右サイドで孤軍奮闘しているものの、左サイドには決定的な存在が欠けている。ストライカー補強としてドゥシャン・ヴラホヴィッチやエンドリッキの名前が浮上する一方で、ウィンガーの獲得も急務。ソロモンはその条件に合致する選手であり、移籍金が比較的安価で済む可能性もクラブにとって魅力的。
ソロモンのプレースタイルとウエストハムへの影響
ソロモンの特徴は、細かいステップで相手を翻弄するドリブルと、カットインからの鋭いシュートだ。シャフタール・ドネツク時代にはチャンピオンズリーグで欧州の強豪を相手にゴールを奪い、その突破力を証明した。
リーズではプレミアリーグ昇格を支える原動力となり、攻撃の幅を広げる存在として評価された。彼のプレーは単なるサイド突破にとどまらず、中央に切り込んでフィニッシュに絡む多様性を持っている。
ウエストハムに加入すれば、ボーウェンとの両翼は相手守備陣にとって脅威となるだろう。ソロモンは左サイドからのカットインで得点を狙えるだけでなく、ボーウェンとの連携で相手の守備を広げる役割を果たせる。
ヌーノ監督が志向する流動的な攻撃スタイルにおいて、ソロモンの柔軟なポジショニングは戦術的なオプションを増やす。守備面では改善の余地があるものの、献身的な走りとハードワークはプレミアリーグで生き残るための必須条件を満たしている。
さらに、ソロモンの移籍は経済的にも現実的。トーマス・フランク監督のもとでは戦力外となっており、トッテナムが高額を要求する可能性は低い。ローンでの獲得からスタートし、シーズン終了後に完全移籍へ移行するシナリオは、ウエストハムにとってリスクを抑えつつ戦力を強化できる理想的な形だ。
個人的な見解
マノル・ソロモンのキャリアは、才能と環境のミスマッチに苦しんできた印象が強い。シャフタールで欧州の舞台を経験し、リーズでは昇格請負人として輝いたが、トッテナムやビジャレアルでは継続的な出場機会を得られず停滞してしまった。
今の彼に必要なのは、信頼を寄せてくれる監督と、継続的にプレーできる環境だ。ウエストハムはその条件を満たす可能性が高く、彼にとって再起の舞台となり得る。
私の見立てでは、ソロモンが加入すれば即座にレギュラー争いに食い込むだろう。ボーウェンとの両翼はプレミアリーグでも十分に通用する破壊力を秘めており、クラブの攻撃力を一段階引き上げるはずだ。
もちろん、フィジカル面や守備強度への適応は課題だが、彼の技術と意欲がそれを補うと考える。降格圏からの脱出を目指すウエストハムにとって、ソロモン獲得は単なる補強ではなく、クラブの未来を左右する大きな賭けになるだろう。