マンチェスター・ユナイテッドが次なる中盤の補強ターゲットとして浮上させたのは、ナポリの司令塔スタニスラフ・ロボトカだ。
イタリアメディア『Tuttosport』の報道によれば、ユナイテッドはこのスロバキア代表MFに強い関心を寄せており、バルセロナなど複数クラブとの争奪戦が予想されている。
30歳を迎えたロボトカは、セリエAで安定したパフォーマンスを続ける稀有な存在であり、彼の移籍はプレミアリーグの勢力図を揺さぶる可能性を秘めている。
ロボトカの存在感とマンチェスター・ユナイテッドの課題
ロボトカはナポリの中盤において、守備的ミッドフィールダーとして絶対的な信頼を勝ち取ってきた。2023/24シーズン、ナポリがセリエAで苦戦し10位に沈んだ中でも、彼のパフォーマンスは際立っていた。パス成功率は91％を誇り、ボール循環の要としてチームを支え続けたことは高く評価されている。
マンチェスター・ユナイテッドにとって、中盤の安定性は長年の課題だ。カゼミーロの年齢やコンディション不良が続く中、試合のテンポを整えられる選手が不足している。
ロボトカのように冷静かつ確実にボールを捌ける存在は、ルベン・アモリム監督の戦術において欠かせないピースとなり得る。特にプレミアリーグの激しいプレス環境では、彼のポジショニングと判断力が大きな武器になるだろう。
移籍市場での価値と競合クラブの動向
ナポリはロボトカを約3400万ポンドで評価しているとされる。契約は2027年まで残っているが、年齢的に今夏が高額移籍のラストチャンスになる可能性が高い。バルセロナも獲得に関心を示しており、プレミアリーグとラ・リーガの両巨頭が同時に動くことで、移籍市場は一層過熱する。
ユナイテッドがロボトカに目を凝らす理由は、即戦力補強にとどまらない。彼のプレースタイルは、クラブが目指す「ボール保持と主導権を握るサッカー」に直結する。
中盤の底で安定感をもたらし、攻撃の起点を作る能力は、ブルーノ・フェルナンデスやメイヌーといった攻撃的MFをより自由にする。つまり、ロボトカ獲得はチーム全体のバランスを決定づける戦略的補強なのだ。
個人的な見解
ロボトカの移籍は、マンチェスター・ユナイテッドにとって中盤の再構築のキッカケになると感じている。
彼の冷静な判断力と高精度のパスは、プレミアリーグの激しい試合展開において大きな安定感をもたらすだろう。ユナイテッドが長年抱えてきた「試合の主導権を握れない」という課題を解決する可能性がある。
一方で、年齢的なリスクも見逃せない。30歳を超える選手に高額投資をすることは、クラブの長期的なビジョンと必ずしも一致しない。
だが、経験値と即効性を重視するならば、ロボトカは理想的な補強ターゲットだ。ユナイテッドがこの選択をどう判断するかは、クラブの未来を左右する重要な分岐点になるだろう。