セリエA王者からバロンドール候補へ、マクトミネイを巡るユナイテッドの葛藤!

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セリエA王者からバロンドール候補へ、マクトミネイを巡るユナイテッドの葛藤! Manchester United

マンチェスター・ユナイテッドが再びスコット・マクトミネイの名を呼び戻そうとしている。2024年の夏にナポリへ旅立ったスコットランド代表MFは、セリエA制覇、リーグ年間最優秀選手、さらには2025年バロンドールで18位にランクインするなど、輝かしいキャリアを積み重ねてきた。

一方で、ユナイテッドは彼を手放したことを深く悔やみ、再獲得に向けて動いていると報じられている。しかし、ナポリとアントニオ・コンテ監督は売却を拒否し、契約は2028年まで残っている。この移籍劇は、クラブの哲学と未来を問う大きな決断となっている。

ナポリでの飛躍とユナイテッドの後悔

マクトミネイは2024年夏、約3000万ユーロでナポリへ移籍。ユナイテッドでは控えに回ることも多かったが、コンテ監督の下でより前目のポジションを与えられると、持ち前のフィジカルと推進力を最大限に発揮。

2024/25シーズンには公式戦13ゴール、4アシストを記録し、ナポリをセリエA王者へ導いた。その活躍はリーグ年間最優秀選手に選ばれるほどで、イタリアの地で完全に評価を覆した。

さらに2025年秋にはバロンドールで18位にランクインし、世界的な評価を獲得。これはユナイテッド時代には想像もできなかった飛躍であり、クラブが彼を手放したことは「財政的合理性」以上に大きな痛手だったと見られている。オーレ・グンナー・スールシャール元ユナイテッド監督は「クラブの核となるべき選手を失った」と語り、売却を理解できないと強調。

一方で、ロイ・キーンは冷静な視点を持ち続けている。彼は「ナポリで成功したことは事実だが、ユナイテッドを再び頂点へ導く存在かは疑わしい」と述べ、再獲得に慎重な姿勢を示した。キーンは、クラブが一度チームプレーヤーと位置づけた選手に再び大金を投じることのリスクを強調している。

実際、ユナイテッドがマクトミネイを取り戻すには4400万ポンド以上が必要とされる。これは、彼を放出した際の金額の倍近い。財政的な負担だけでなく、ナポリが売却を拒否している現状では、現実的に成立する可能性は低い。さらに、マクトミネイ自身もナポリでの生活に満足しており、移籍を望んでいないと報じられている。

ユナイテッドの中盤再構築とマクトミネイの役割

ユナイテッドの中盤は現在、再構築の途上にある。カゼミーロの負傷やブルーノ・フェルナンデスの過重な負担、そして新加入のマヌエル・ウガルテがプレミアリーグに適応できず苦しんでいることが課題となっている。その中で、守備と攻撃の両面でバランスを取れるマクトミネイの存在は、確かに魅力的だ。

ナポリではより攻撃的な役割を担い、ゴール前に飛び込む力を磨いた。ユナイテッドに戻れば、彼の新たな武器はチームに厚みを加えるだろう。しかし、クラブが求めるのは即戦力だけではなく、未来を見据えた中盤の軸だ。マクトミネイがその役割を担えるかどうかは、議論の余地がある。

ユナイテッドが「過去の過ちを取り戻す」ために動いているのか、それとも「未来の中盤を築く」ために選択しているのか。その問いが突きつけられている。スールシャールの支持とキーンの懐疑、その間で揺れるユナイテッドの姿は、クラブがアイデンティティの再構築に苦しんでいることを鮮明に示している。

個人的な見解

この動きを見つめると、マクトミネイ再獲得はクラブの「感情」と「合理性」の狭間にある選択だと感じる。

ナポリでの成功は彼の価値を証明したが、プレミアリーグの舞台で同じ輝きを放てるかは未知数である。

ユナイテッドが彼を再び迎え入れるなら、その瞬間はファンの心を震わせるだろう。しかし、クラブが求めるのは感動だけではなく、勝利を積み重ねる現実。

個人的には、ユナイテッドがマクトミネイを再び獲得することは「過去の後悔を埋める行為」であると同時に、「未来への賭け」でもあると考える。

ナポリで進化した彼がオールド・トラッフォードに戻れば、クラブの中盤に新たな可能性をもたらすだろう。

ただし、財政的負担や選手本人の意思を踏まえれば、実現は容易ではない。ユナイテッドがこの選択を本当に下すのか。それはクラブの未来を決定づける大きな分岐点になる。