リヴァプールはブラジルのグレミオに所属する17歳の攻撃的ミッドフィールダー、ガブリエル・メックの獲得に強い関心を示している。ジャーナリストのカリエル・ドルネレス氏が報じたように、リヴァプールはすでに契約内容の詳細を確認し、カタールで行われているU-17ワールドカップで彼のプレーを綿密にチェックしている。
メックは2027年6月までグレミオと契約しており、国外クラブ向けの契約解除条項は5000万ユーロに設定されている。しかし、クラブ内部では2000万ユーロ程度での売却も視野に入れているとされ、これはプレミアリーグのクラブにとって現実的な投資額と言える。
チェルシーは昨年、獲得に迫りながらも破談となり、シャフタール・ドネツクが提示した1300万ユーロのオファーも本人が拒否。さらにポルトやゼニトも関心を示しており、ヨーロッパ全体で彼の評価が急速に高まっている。
ガブリエル・メックのプレースタイルとリヴァプールでの可能性
ガブリエル・メックは攻撃的ミッドフィールダーを主戦場としながらも、左右のウィングにも対応できる柔軟性を持つ。両足を自在に操る技術、スピードを活かした縦への推進力、そして狭いスペースでもボールを失わないボールコントロールは、彼を特別な存在にしている。
リヴァプールの戦術において、攻撃的MFは「偽9番」や「インサイドハーフ」として流動的に動き、前線との連携を強める役割を担う。メックの柔軟性はこのシステムに完璧にフィットする可能性が高い。
さらに、彼のプレーにはブラジル特有の創造性があり、モハメド・サラーといった前線の選手と組み合わせれば、相手守備陣を翻弄する多彩な攻撃パターンが生まれるだろう。
データ面でも、U-17ワールドカップで平均2.3回のキーパス、成功率85％のパス精度を記録しており、若手としては驚異的な数値を残している。これは才能の片鱗ではなく、すでにプロ仕様の視野と判断力を備えていることを示している。
リヴァプールがメック獲得に動く場合、最大のライバルはチェルシーだ。2024年夏に2400万ユーロのオファーを提示した過去があり、2025年3月には再び交渉を再開したと報じられている。さらに、ポルトやゼニトといったクラブも育成型投資を得意としており、2000万ユーロという価格は彼らにとっても手の届く範囲。
しかし、リヴァプールにはプレミアリーグという舞台と、ユルゲン・クロップ時代に育成された数々の若手成功例という強みがある。ハーヴェイ・エリオットやステファン・バイチェティッチのように、若手をトップレベルに押し上げる環境は整っている。メックにとっても、リヴァプールはキャリアを飛躍させる理想的なステップとなり得る。
個人的な見解
ガブリエル・メックの名前がヨーロッパの移籍市場で急速に広がっているのは、彼のプレーが確かな説得力を持っているからだ。
リヴァプールが本気で動くならば、2000万ユーロという投資は将来的に大きなリターンを生む可能性が高い。ブラジルの若手がプレミアリーグで成功する例は数多くあるが、メックはその系譜に加わる資質を十分に備えている。
私自身の見立てでは、リヴァプールがこのタイミングで動くかどうかが重要となる。チェルシーやポルトが先に具体的なオファーを提示すれば、競争は一気に激化するだろう。
メックがアンフィールドで躍動する姿は非常に現実味を帯びている。リヴァプールが次世代の攻撃的司令塔を手に入れるかどうか、その答えは近い将来に明らかになるはずだ。