マンチェスター・ユナイテッドがノッティンガム・フォレストのエリオット・アンダーソン獲得に向けて動きを加速させている。スペイン紙『Fichajes』によれば、ユナイテッドは1月の移籍市場で約8800万ポンドのオファーを準備しているとされ、クラブ史上最高額に迫る可能性がある。
当初は1億ユーロ超の移籍金が必要と見られていたが、ジャーナリストのベン・ジェイコブズ氏によれば、実際の価格はそれほど高額にはならない見通しだ。
アンダーソンは2024年夏にニューカッスルからノッティンガムへ移籍し、わずか18か月でクラブの中心選手へと成長した。今季までに公式戦56試合に出場し、3ゴール7アシストを記録。
数字以上に評価されているのは、彼のボール回収力、前進する推進力、そして攻撃のリズムを変える瞬発的な判断力だ。その万能性は、ルベン・アモリムが志向する攻守一体型のフットボールに理想的にフィットする。
さらに、トーマス・トゥヘル率いるイングランド代表でも高く評価されており、2026年ワールドカップでのレギュラー候補と目されている。この事実は、ユナイテッドが彼を獲得することで得られる即戦力性と将来性を同時に裏付けている。
アモリム体制の中盤刷新とアンダーソンの役割
ユナイテッドは近年、中盤の構築に苦しんできた。ブルーノ・フェルナンデスやカゼミーロといった経験豊富な選手はいるものの、世代交代と戦術的柔軟性を両立させるには新たな血が必要。アンダーソンはその条件を満たす存在であり、ユナイテッドが彼を最優先ターゲットに据えるのは必然。
彼のプレースタイルは、ボールを受けてからの推進力と攻撃のスイッチを入れる鋭さにある。中盤の底から前線に顔を出し、ゴール前で決定的な仕事をする能力は、ユナイテッドが長らく欠いてきた要素だ。守備面でもハードワークを惜しまないため、アモリムが描く「攻守を一体化させる中盤」の中心に据えられる可能性が高い。
ノッティンガムは当然、彼を手放したくない。ショーン・ダイチ監督は長期的にチームの核として残す意向を示している。しかし、クラブの財政状況や残留争いの行方次第では、ユナイテッドが提示する巨額オファーを拒み切れない可能性もある。
個人的な見解
エリオット・アンダーソンの移籍話は、ユナイテッドの未来を左右する分岐点になる。8800万ポンドという金額は決して軽いものではないが、彼の能力と成長曲線を考えれば「投資」として十分に合理的。
ブルーノ・フェルナンデスとの連携で攻撃の厚みが増し、カゼミーロの負担を軽減する効果も期待できる。中盤のバランスを取り戻すことができれば、ユナイテッドは再びプレミアリーグの頂点を狙えるチームへと変貌するだろう。
一方で、ノッティンガムにとってアンダーソンはクラブを代表する選手であり、彼を失うことは大きな痛手となる。
ファンの支持を背負い、チームの心臓として機能している選手を手放すのは簡単ではない。だからこそ、この移籍が成立すれば、ユナイテッドにとっては “未来” を買う決断となり、ノッティンガムにとってはクラブ経営の現実を突きつけられる瞬間になる。
私の見立てでは、アンダーソンがユナイテッドに加入すれば、アモリム体制の中盤は一気に活性化し、攻守両面での安定感が増すだろう。
