フェデリコ・キエーザの去就は大きな注目を集めている。イタリアメディア『Sport Mediaset』の報道によれば、ナポリは冬の移籍市場で再びリヴァプールのウィンガー獲得に挑む構えを見せている。
28歳となったキエーザは、2024年夏にユヴェントスからリヴァプールへ加入したものの、戦術的な理由からか出場機会が限られ、今季もここまで公式戦で2ゴール3アシストにとどまっている。
アーネ・スロット監督の下で序列が安定せず、スタメンに定着できない現状は本人にとって大きな不満となっている。キエーザ自身もプレー時間の不足に不満を抱き、移籍を望んでいるとされる。
さらに、イタリア代表監督ジェンナーロ・ガットゥーゾが明かしたように、キエーザは11月の代表招集を辞退しており、コンディションや精神面で難しい局面に立たされている。代表復帰を目指す彼にとって、クラブでの安定した出場機会は不可欠。
ナポリは2024/25シーズンにセリエAを制覇したが、今季は攻撃陣の得点力に波があり、アントニオ・コンテ監督は新たな攻撃オプションを求めている。
デ・ラウレンティス会長は冬の補強資金として5000万ユーロを用意しているが、キエーザに関してはローンでの獲得を狙っていると報じられている。これは、コンテがシーズン後半に多様な戦術を試すための柔軟性を確保する狙いがあるからだ。
ナポリが描くキエーザの役割と移籍の現実味
ナポリがキエーザを求める理由は明快。彼の爆発的なスピードと縦への推進力は、セリエAの守備陣にとって依然として脅威であり、既存のアタッカー陣との組み合わせは攻撃の幅を大きく広げる可能性を秘めている。コンテの3-4-3や3-5-2といった布陣において、キエーザはサイドの突破役としても、セカンドストライカー的な役割としても機能できる。
一方で、リヴァプールが彼を手放すかどうかは極めて難しい判断となる。ルイス・ディアスやダルウィン・ヌニェスが退団した後、攻撃陣の層は決して厚いとは言えず、スロット監督はシーズン後半に向けて選手層を維持したいと考えている。クラブが冬の移籍で彼を放出すれば、攻撃陣の選択肢が減るリスクを伴う。
それでも、キエーザ自身が出場機会を強く求めていること、そして代表復帰への思いを抱いていることを考えれば、ナポリへのローン移籍は現実味を帯びている。選手の希望とクラブの事情、そしてナポリの野心が交錯するこの交渉は、冬の移籍市場最大の焦点のひとつになるだろう。
個人的な見解
フェデリコ・キエーザの移籍話は、彼のキャリア再生に直結するテーマだ。リヴァプールで限られた出場時間しか得られない現状では、彼の持つ爆発力や勝負強さが十分に発揮されていない。
ナポリであれば、ロメル・ルカクやラスムス・ホイルンドと並ぶ攻撃陣の一角として、再びセリエAを沸かせる姿が期待できる。特にコンテの戦術下では、キエーザの柔軟性が大きな武器となるだろう。
一方で、リヴァプールが彼を残す選択をすれば、プレミアリーグやチャンピオンズリーグで重要な場面で起用される可能性もある。
クラブとしては合理的な判断だが、選手のキャリアを考えれば、ナポリでの挑戦はより魅力的に映る。
個人的には、キエーザがセリエAの舞台で再び輝きを取り戻す姿を見たい。彼のプレースタイルはイタリアのピッチでこそ最大限に生きると感じている。
この冬の移籍市場で、リヴァプールとナポリの駆け引きがどのような結末を迎えるのか。キエーザの未来は、彼自身のキャリアだけでなく、両クラブのシーズンの行方をも左右するだろう。
