チェルシーがレアル・マドリードのブラジル代表アタッカー、ヴィニシウス・ジュニオール獲得に向けて1億5000万ユーロという巨額のオファーを準備しているとスペイン紙『Fichajes』が伝えている。
契約は2027年まで残っているものの、延長交渉は停滞し、クラブ内での立場にも微妙な変化が生じている。さらに、今季はパフォーマンスが安定せず、シャビ・アロンソ監督との関係悪化も噂されている。このタイミングを突こうとするのがチェルシーだ。
ヴィニシウスはここ数年、レアルの攻撃の中心として君臨し、2022年のチャンピオンズリーグ決勝での決勝点を含め、数々のビッグマッチで勝負強さを発揮してきた。
爆発的なスピード、切れ味鋭いドリブル、そしてゴール前での冷静さは、プレミアリーグのフィジカルにも十分適応できると見られている。チェルシーが再びプレミアの頂点を目指す上で、彼の存在は攻撃陣の質を一気に引き上げる可能性を秘めている。
チェルシーの再建とヴィニシウスの役割
チェルシーは昨夏にアレハンドロ・ガルナチョ、ジェイミー・ギッテンス、さらにエステヴァン・ウィリアンを獲得したが、いずれも若く経験不足で、プレミアリーグでの得点力はまだ物足りない。
今季ここまでのリーグ戦で、彼ら3人が記録したゴールはわずか2点。攻撃の爆発力を欠いている現状を考えれば、ヴィニシウスのような完成されたワールドクラスのウィンガーを加えることは、即効性とスター性を兼ね備えた補強となる。
ヴィニシウスは公式戦で200試合以上に出場し、60ゴール以上を記録。特にビッグマッチでの勝負強さは際立ち、バロンドール候補にも複数回ノミネートされている。チェルシーが求める「決定力」と「存在感」を同時に満たす選手であり、彼の加入はクラブの攻撃スタイルを根本から変える可能性がある。
さらに、エンツォ・マレスカ監督はポゼッションを基盤としながらも、縦への推進力を重視する戦術を採用している。ヴィニシウスの持つ爆発的な突破力は、この戦術に完璧にフィットするだろう。ガルナチョやギッテンスといった若手と組み合わせれば、チェルシーは一気に「スピードと創造性」を兼ね備えた攻撃陣を形成できる。
レアル・マドリードのジレンマと移籍市場の行方
レアル・マドリードにとって、ヴィニシウスはクラブの象徴的存在であり、放出は大きな痛手となる。しかし1億5000万ユーロという巨額は、クラブの再編を進める上で無視できない数字だ。さらに、契約延長が進まない現状では、来季以降のリスクを考えざるを得ない。指揮官との関係悪化もあり、クラブ内での立場が揺らいでいることは事実。
一方で、マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンもヴィニシウスの動向を注目していると報じられており、移籍市場は一気に加熱する可能性がある。もしチェルシーが本格的に動けば、プレミアリーグ内での競争はさらに激化し、ヴィニシウス獲得はクラブの未来を左右するかもしれない。
個人的な見解
ヴィニシウス・ジュニオールのチェルシー移籍は、クラブの再建戦略における決定的な判断になり得る。
若手主体の育成路線に加え、即戦力のスターを迎え入れることで、チェルシーは「育成と勝利」の両立を狙っている。ヴィニシウスはその中心的な存在になり得る。
ただし、1億5000万ユーロという投資はリスクも大きい。ヴィニシウスがプレミアのフィジカルに適応できるか、またレアルが本当に手放すのかは不透明。
しかし、チェルシーが本気でタイトルを狙うなら、このような大胆な一手は避けて通れない。個人的には、この移籍が実現すればプレミアリーグ全体の勢力図を塗り替える可能性があり、サッカーファンとしても胸が高鳴る。
