マンチェスター・ユナイテッドの中盤は今季、明らかに疲弊している。ルベン・アモリム監督はブルーノ・フェルナンデスとカゼミーロという経験豊富な二枚看板に依存してきたが、両者の年齢と運動量の限界は隠しきれない。
スペイン紙『Defensa Central』の報道によれば、ユナイテッドはレアル・マドリード所属のアウレリアン・チュアメニをカゼミーロの後継者として最優先ターゲットに据えている。
チュアメニは2022年にモナコからレアル・マドリードへ加入し、カゼミーロ退団後の穴を埋める存在として期待された。フランス代表でも中盤の要として定着し、ボール奪取力と展開力を兼ね備えた万能型MFとして評価されている。
ユナイテッドが彼を狙うのは偶然ではなく、クラブの再建において「守備的強度と若さ」を両立させるための必然だ。
チュアメニのプレースタイルとユナイテッドの中盤再建
アウレリアン・チュアメニの最大の武器は、広範囲をカバーする守備力だ。インターセプトのタイミングは鋭く、タックル成功率も高い。
さらに、ボール奪取後の展開力に優れ、縦へのパスで攻撃のスイッチを入れることができる。レアル・マドリードではフェデリコ・バルベルデやエドゥアルド・カマヴィンガらと組み、攻守のバランスを支えてきた。
ユナイテッドが抱える課題は、カゼミーロの衰えだ。アモリム監督はよりダイナミックで走力のある中盤を望んでおり、チュアメニの加入はその理想像に合う。さらに、プレミアリーグ特有の激しいトランジションに対応できる選手である点も大きい。
移籍金は1億ユーロ規模とされ、簡単な取引ではない。過去にはチェルシーやリヴァプールも関心を示しているため、競争は熾烈だ。しかし、ユナイテッドが本気で中盤の刷新を目指すなら、チュアメニの獲得はライバルに差を付ける補強になり得る。
個人的な見解
ジャーナリストとしてこの動きを見ていると、ユナイテッドがようやく「未来志向の補強」に舵を切ったことを感じる。
カゼミーロはクラブに安定をもたらしたが、彼の全盛期はすでに過ぎつつある。チュアメニのような24歳のフランス代表MFを獲得できれば、ユナイテッドは中盤に新たな心臓を据えることができる。
ただし、問題は資金と競合クラブの存在だ。レアル・マドリードが簡単に手放すとは考えにくく、ユナイテッドは交渉力と財力を試される。
もしこの移籍が実現すれば、クラブの再建は一気に加速するだろう。逆に失敗すれば、再び中盤の脆弱さに悩まされるシーズンが続く。
ユナイテッドが本気でプレミアリーグの頂点を目指すなら、この冬から来夏にかけての動きが決定的な意味を持つと断言できる。
