ベルナベウの夜、観客の期待を背負いながらピッチに立つゴンサロ・ガルシア。21歳のスペイン人ストライカーは、クラブワールドカップで6試合4得点を記録し、世界の舞台でその名を轟かせた。
しかし、ラ・リーガではわずか96分、チャンピオンズリーグでは11分しかプレーできていない。才能を持て余す現状に、プレミアリーグの複数クラブが目を光らせている。
リーズ・ユナイテッドはその筆頭だが、レアル・マドリードの指揮官シャビ・アロンソは冬の移籍市場で彼を手放す意思を示していないと、英『TEAMtalk』が伝えた。
レアル・マドリードの決断と背景
ガルシアは今季公式戦21試合で5得点を挙げている。数字だけ見れば控えめだが、クラブワールドカップでの爆発力は鮮烈だった。シャビ・アロンソはキリアン・エムバペを中心に攻撃を構築しており、ガルシアは控えに甘んじている。それでもクラブは彼を “未来のストライカー” と位置づけ、放出すれば前線の厚みを失うと判断した。
さらに、エンドリッキが1月にリヨンへ移籍する可能性が高まっており、レアルは攻撃陣の層を維持するためにもガルシアを残す必要がある。買い戻し条項付きでの売却やローン移籍の可能性は残されているが、現時点では放出に消極的。
リーズ・ユナイテッドの切迫した補強ニーズ
リーズはプレミアリーグで11試合を終えてわずか10得点。攻撃陣の決定力不足は深刻で、残留争いを避けるためには前線の補強が不可欠。ダニエル・ファルケ監督は冬の移籍市場でストライカー獲得を最優先課題に掲げており、ガルシアはその筆頭候補に挙げられている。
しかし、ブライトン、アストン・ヴィラ、ウルヴァーハンプトン、さらにはサンダーランドまでもがガルシア獲得に関心を示している。資金面ではリーズが1700万ポンド規模のオファーを準備しているとされるが、レアルの拒否姿勢が強まる中で交渉は難航必至。
ガルシアのプレースタイルは、プレミアリーグの激しいテンポに適応しやすい。鋭い裏抜け、ペナルティエリア内での冷静なフィニッシュ、そして若さゆえの爆発力。これらはリーズの攻撃を一変させる可能性を秘めている。クラブワールドカップで見せた得点感覚は、国際舞台でも通用することを証明した。
ただし、フィジカルの強度や守備面での献身はまだ課題が残る。プレミアの厳しい環境で継続的に出場することで、彼の弱点は克服されるだろう。リーズが彼を獲得できれば、残留争いの行方を左右する存在となる。
個人的見解
私の視点では、ガルシアの移籍は現時点で現実味が薄い。レアルは彼を手放すことで攻撃陣の厚みを失うリスクを理解しており、シャビ・アロンソの信頼も厚い。
買い戻し条項付きでの売却やローン移籍の可能性は残されているが、少なくとも今冬にリーズが彼を獲得するのは極めて困難。
それでも、リーズが彼に執着する理由のも当然。得点力不足を解消するためには、若く爆発力のあるストライカーが必要であり、ガルシアはその条件を満たしている。
もし交渉が進展すれば、プレミアリーグ残留争いの構図を大きく変える可能性がある。リーズにとって、この冬の市場は今シーズンを占うものになるかもしれない。
