クリスティアン・プリシッチは2023年夏にチェルシーからACミランへ移籍し、わずか2000万ユーロの投資でクラブの攻撃陣を一変させた。昨季は公式戦17ゴールを挙げ、ミランの得点源として存在感を放った。
今季もセリエAでゴールとアシストを重ね、アメリカ代表としても82キャップ32ゴールという数字を積み上げている。市場価値は現在4600万ユーロ前後とされ、欧州トップクラブの視線を集めるのも当然。
しかし、ミランとの契約延長交渉は停滞している。プリシッチはクラブがチャンピオンズリーグ出場権を確保する保証を求めており、それが交渉を難航させている。契約は2027年まで残っているものの、本人の野心とクラブの現状が噛み合わず、移籍市場での動きが加速している。
マンチェスター・ユナイテッドは攻撃陣の再構築を急務としており、プリシッチの獲得は停滞する攻撃に新たな活力をもたらす可能性がある。マテウス・クーニャやブライアン・ムベウモ、ブルーノ・フェルナンデスらへの負担軽減を狙い、プリシッチの推進力と決定力は即戦力として期待できる。
一方、海外メディア『Football Transfers』によると、アストン・ヴィラもプリシッチ獲得に関心を示している。ウナイ・エメリの下で急速に成長を遂げるヴィラは、欧州カンファレンスリーグでの戦いを通じてクラブの存在感を高めている。プリシッチが加入すれば、ヴィラのダイナミックな攻撃にさらなる厚みが加わり、プレミアリーグでの上位進出に現実味が増す。
プレミアリーグ復帰か、ミラン残留か
プリシッチのキャリアを考える上で、次の選択は極めて重要。27歳という年齢は選手としてのピークを迎える時期であり、ここで選ぶクラブが残りのキャリアを大きく左右する。
ユナイテッドはチャンピオンズリーグ常連であり、世界的な注目度も桁違い。彼が再び大舞台で輝きを放つには、ユナイテッドのユニフォームは理想的な選択肢に映る。
しかし、ヴィラのプロジェクトも魅力的。エメリの戦術的な柔軟性とクラブ全体の上昇気流は、プリシッチにとって主役として輝ける環境を提供する。ユナイテッドではポジション争いが待ち受けるが、ヴィラではより中心的な役割を担える可能性が高い。
さらに、ミラン残留の可能性も完全には消えていない。プリシッチはミランで確固たる地位を築いており、クラブ側も契約延長を模索している。
ただし、交渉が停滞している現状では、彼が欧州舞台での挑戦を優先する可能性が高い。ナポリなど他クラブも関心を示しているとの報道もあり、移籍市場での競争は激化する見通しだ。
個人的な見解
プリシッチの移籍話は、噂の域を超えて現実味を帯びている。ミランでの活躍は素晴らしいが、契約延長交渉の停滞は彼の野心とクラブの方向性が一致していないことを示している。常に大舞台で自らを試したいタイプであり、ユナイテッドのようなクラブは自然な選択肢に見える。
ただし、私が注目したいのはアストン・ヴィラの可能性。エメリの下でヴィラは確実にステップアップしており、プリシッチがそのプロジェクトの中心人物となれば、彼のキャリアは新たな輝きを放つだろう。
ユナイテッドで一部の駒として戦うよりも、ヴィラで主役としてチームを牽引する姿の方が、彼のプレースタイルには合っているように思える。
いずれにせよ、プリシッチの決断はプレミアリーグ全体に大きな影響を与えるだろう。アメリカ代表の象徴が再びイングランドの地に立つのか、それともミランに残り続けるのか。