ルベン・ネベスの名前が再びヨーロッパの移籍市場を熱くしている。2023年夏にウォルヴァーハンプトンからアル・ヒラルへと渡ったポルトガル代表MFは、サウジ・プロリーグで数々のタイトルを獲得し、クラブの中心選手として君臨してきた。
公式戦100試合以上に出場し、12ゴール25アシストを記録。中盤の底から試合を操るその存在感は、アジアの舞台でも揺るぎないものだった。
しかし、2025/26シーズンを迎えた今、ネベスは新たな挑戦を求めている。契約満了を前にヨーロッパ復帰を強く望み、複数のクラブが獲得に動いているのだ。
トルコ人ジャーナリスト、エクレム・コヌルの報道によれば、アストン・ヴィラ、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスル、トッテナムの4クラブが本格的に関心を示している。さらにフェネルバフチェ、ガラタサライ、インテル、ウェストハムも視線を送っており、移籍市場の中心人物となっている。
プレミアリーグの4クラブが描く未来像
アストン・ヴィラはウナイ・エメリ監督のもとで欧州カップ戦での安定を目指し、中盤の補強を急務としている。ジェームズ・ガーナーら若手候補もリストアップされているが、経験豊富で即戦力となるネベスは理想的なターゲットだ。
ヴィラがさらなる飛躍を遂げるためには、試合を落ち着かせられる中盤の支配者が不可欠であり、その役割を担えるのはネベスのような選手しかいない。
ニューカッスルはアレクサンデル・イサクの退団によって攻撃陣の再構築を迫られているが、同時に中盤の安定も課題となっている。ジョエリントンの将来が不透明な中、ネベスの展開力は新たな攻撃陣を支える基盤となるだろう。
マンチェスター・ユナイテッドは現在ルベン・アモリム体制の下で再建を進めている。スポルティングCPでポルトガルリーグ制覇を経験した若き指揮官は、攻守のバランスを重視しながらも、前線への素早い展開を得意とする戦術を導入している。
しかし現状では、カゼミーロの年齢的な衰えとマヌエル・ウガルテの適応不足が顕著であり、中盤の安定感を欠いている。アモリムが描くスタイルを完成させるためには、試合を支配できる中盤の核が必要不可欠。
トッテナムはトーマス・フランクを新監督に迎え、戦術的再構築を進めている。ブレントフォードで長期的にチームを育て上げた経験を持つフランクは、堅実な守備と効率的な攻撃を融合させるスタイルを志向している。
ネベスの正確な配球力は前線の攻撃をスムーズにし、守備的安定感は試合全体をコントロールする基盤となる。フランクの戦術においては、攻撃と守備の切り替えを素早く行う中盤の存在が必要であり、ネベスはその役割を完璧にこなせる選手だ。
サウジで得た勝者の精神と欧州への渇望
アル・ヒラルでの時間は、ネベスにとってキャリアの新たな章だった。サウジ・プロリーグは欧州に比べれば競技レベルで議論を呼ぶが、彼はその環境で勝者のメンタリティをさらに強化した。タイトル獲得の重圧、アジアチャンピオンズリーグでの戦い、そしてスター選手が集うチームでの競争。これらの経験は、プレミアリーグに戻った際に必ずやプラスに働く。
ネベスのプレースタイルは、守備的MFに留まらない。中盤の底からゲームを組み立てる視野の広さ、正確なロングパス、そして時折放つ強烈なミドルシュート。
ウルブス時代から見せてきたその武器は今も健在。さらにアル・ヒラルでの経験を経て、リーダーシップと勝者の精神を身につけた彼は、どのクラブにとっても中盤の安定装置となり得る。
個人的な見解
ルベン・ネベスのプレミアリーグ復帰は、移籍市場の一ニュースに留まらない。彼はウォルヴズ時代からプレミアの舞台で輝き続けた選手であり、その知名度と実績はすでに証明済み。
サウジでの成功を経て、再び欧州に戻ることでキャリアの第二章を築くことになるだろう。特にユナイテッドやヴィラのように中盤の再構築を迫られているクラブにとって、ネベスは即戦力かつ象徴的な補強となる。
個人的には、彼の冷静さと試合を支配する能力はニューカッスルに最もフィットすると感じている。攻撃陣の再編を進めるクラブにとって、後方から試合を操る存在は不可欠。
ネベスがその役割を担えば、ニューカッスルはさらに上位を狙えるチームへと進化するだろう。いずれにせよ、2025/26シーズンの移籍市場で彼の名前が最も熱く語られることは間違いない。
