マンチェスター・ユナイテッドの補強リストに名を連ねているのが、スポルティング・リスボンの18歳サルバドール・ブロパだ。彼は右サイドバックとしても右サイドのミッドフィールダーとしてもプレーできる万能型で、ヌーノ・メンデスを彷彿とさせる爆発的な推進力と、試合を読む冷静な洞察力を兼ね備えている。
10月末のアリアンツ・カップ、アルヴェルカ戦での2得点は、彼の才能を一気に世に知らしめた。デビュー戦での鮮烈なパフォーマンスは、クラブ関係者だけでなく、ヨーロッパ中のスカウトを驚かせた。さらに11月初旬のユヴェントス戦ではベンチ入りを果たし、トップチームでの起用が現実味を帯びてきている。
ブロパはU-23で21試合2ゴール1アシスト、Bチームで15試合1ゴール2アシストと、数字以上にチームの攻守に活力を与える存在で、成熟した判断力と戦術理解に裏打ちされている。特に3バックシステムでの適応力は高く、右ウイングバックとして縦への突破だけでなく、中央に絞って中盤を厚くする動きも見せる。
ユナイテッドの右サイド再建とブロパの可能性
マンチェスター・ユナイテッドがブロパに注目するのは当然。右サイドの層が薄く、ディオゴ・ダロトの不安定さやアマド・ディアロの適応途上が課題となっている。ルベン・アモリム監督は、かつてスポルティングで育てた才能をユナイテッドに呼び込むことで、クラブの右サイドを刷新しようとしている。
ブロパはその計画にぴったりの人材だ。彼は右サイドだけでなく、左サイドでもプレー可能で、戦術的な柔軟性をもたらす。さらに身長188cmのフィジカルを活かし、守備面でも空中戦や対人で強さを発揮する。ヌーノ・メンデスがパリ・サンジェルマンで成功を収めたように、ブロパもまた大舞台で輝く可能性を秘めている。
契約は2026年6月に満了予定であり、移籍市場での注目度は急上昇中。ユナイテッドだけでなく、レアル・マドリードも関心を示していると報じられており、争奪戦は激化する見込み。スポルティングが育て上げた逸材を残すのか、それともユナイテッドが引き抜くのか。欧州の移籍市場は彼の動向に大きな注目を集めている。
個人的な見解
サルバドール・ブロパのプレーを見ていると、彼が右サイドの未来を変える可能性を持つ選手であることは明らかだ。
推進力と冷静な判断力を兼ね備え、若さに似合わぬ成熟度を示している。マンチェスター・ユナイテッドが彼に注目するのは当然であり、彼の獲得はクラブの右サイド再建に直結するだろう。
ただし、ブロパ自身にとっては選択が難しい。スポルティングでレギュラーを掴み、国内外で経験を積むことは成長に直結する。
一方で、ユナイテッドのような巨大クラブで早期に挑戦することは、彼のキャリアを一気に押し上げる可能性を秘める。どちらを選んでも彼の才能は輝くだろうが、重要なのは環境が彼の成長を阻害しないことだ。
私の見立てでは、彼は数年以内に欧州の舞台で確固たる地位を築く選手になる。マンチェスターの赤いユニフォームを纏うかどうか、その決断が彼の未来を大きく左右する。