ロンドン西部に育った若者が、再びプレミアリーグの舞台に戻る可能性を手にしている。ジェローム・オポク。
かつてフラムのアカデミーを経てトップチームに届かず、国外へと旅立ったセンターバックは、トルコのイスタンブール・バシャクシェヒルで逞しく成長し、今やスュペル・リグ屈指の守備者として名を馳せている。
海外メディア『Africa Foot』の報道によると、26歳となった彼を巡り、フラムとノッティンガム・フォレストが激しく火花を散らしているようだ。
フラムの守備再建とオポクの適合性
今季のフラムは守備の脆さに悩まされている。序盤戦での失点数はリーグ下位に沈む要因となり、マルコ・シウバは左利きのセンターバックを強く求めている。
オポクはその条件に合致する存在と言える。身長197センチのフィジカルを活かした空中戦の強さ、試合平均2回を超えるインターセプト、安定したクリア能力は、数字が雄弁に彼の成長を示している。さらに左足から繰り出されるビルドアップは、シウバが志向する攻撃的スタイルに不可欠な要素だ。
フラムはナタン・アケやホエル・オルドニェスら複数の候補をリストアップしているが、オポクには「育成した選手を呼び戻す」という物語性が加わる。クラブにとっては投資以上の価値を持ち、ファンにとっても胸を打つ補強となる。
ノッティンガム・フォレストの動き
一方で、フォレストも交渉に動いている。バシャクシェヒルとの話し合いは既に進行中であり、オポクの代理人も「プレミアリーグでの挑戦に前向き」と語っている。ショーン・ダイチ監督がエヴァートンを率いていた時期から注目していた経緯もあり、フォレストは守備の補強に本気。資金力と積極的な補強姿勢を考えれば、フラムにとって強力なライバルとなる。
オポクの成長は偶然ではない。2024年にポルトガルのアロウカからバシャクシェヒルへ移籍すると、ヌリ・シャヒンの下で戦術理解を深め、守備の要として定着した。
2025/26シーズンも既にリーグ戦5試合に先発し、安定したパフォーマンスを披露している。ガーナ代表としても招集され、国際舞台での経験を積み始めている点も評価を高めている。
オポクは2027年まで契約を結んでおり、移籍には相応の金額が必要となる。市場価値は約240万ユーロとされるが、複数クラブの競合が移籍金を押し上げる可能性は高い。フラムが本気で獲得に動くなら、資金面での覚悟が問われる。
個人的見解
オポクの再獲得は、フラムにとって守備再建に向けた大きな補強になると考える。
彼はクラブのアカデミー出身でありながら、外の世界で逞しく成長し、再び戻ってくるという物語はファンの心を強く揺さぶる。左利きCBという希少性、フィジカルと戦術理解の両面での進化は、シウバの戦術に完璧にフィットする。
ただし、フォレストの存在は軽視できない。彼らは積極的な補強で知られ、資金力もある。オポクが選ぶのは「育ったクラブへの帰還」か「新たな挑戦」か。どちらに転んでも、プレミアリーグに新たな物語が生まれることは確実だ。
私自身は、フラムが彼を呼び戻すことでクラブのアイデンティティを再確認し、守備の安定を取り戻す姿を見たい。オポクがかつて夢見た舞台で、今度こそ真の主役として輝く瞬間を期待している。
