アムステルダムのスタジアムに響く歓声の中で、17歳MFジョルシー・モキオが未来を切り拓いている。。アヤックスのユニフォームをまとい、左サイドから鋭い突破を見せれば、次の瞬間には中央で冷静に守備を統率する。
彼の存在はすでにベルギー代表にも認められ、今季はエールディヴィジで8試合に出場し、チャンピオンズリーグでも堂々としたパフォーマンスを披露した。その姿を見逃さなかったのが、マンチェスター・ユナイテッドとニューカッスル・ユナイテッド。両クラブは未来の守備の核を求め、モキオを巡る激しい競争に突入していると、ベルギー出身のサッカージャーナリストのサシャ・タヴォリエリ氏が伝えた。
マンチェスター・ユナイテッドの視線
オールド・トラッフォードでは守備の再建が急務となっている。リサンドロ・マルティネスの不安定なコンディション、ハリー・マグワイアの序列低下など新たな時代への切り替えが避けられない。
マタイス・デ・リフトやレニー・ヨロらがルベン・アモリム体制で輝き始めたが、モキオはさらにそれを加速させる存在になり得る。フィジカルの強さと冷静な判断力を兼ね備え、ビルドアップにも積極的に関与できる。ユナイテッドが彼を獲得すれば、次世代の守備の柱として長期的なプランに組み込まれる可能性が高い。
ただし、ユナイテッドの課題は出場機会の保証だ。若手がベンチに座り続ければ成長は鈍化する。クラブが彼に明確な育成プランを提示できるかどうかが、移籍の成否を左右する。
ニューカッスルの提示する未来
ニューカッスルは近年、若手育成に積極的な姿勢を示してきた。アレクサンデル・イサクやアンソニー・ゴードンのように若い才能を主力へと押し上げ、クラブの未来を築いている。
モキオにとって、出場機会を保証される環境は成長に直結する。ニューカッスルは彼をスタイルに適合する選手と見なし、将来的な守備の中核として構想している。
ニューカッスルが提示できるのは「試合に出る」という現実的な道筋だ。プレミアリーグの激しい舞台で経験を積みながら、代表での地位を固めることができる。モキオにとって、この選択はキャリア形成において極めて重要な意味を持つ。
アヤックスは当然ながら彼を手放したくない。クラブは契約延長を望んでいるが、モキオ自身はより大きな舞台での挑戦を視野に入れていると報じられている。すでにベルギー代表デビューを果たし、プロとして50試合以上に出場している。若干17歳でこの数字は驚異的であり、彼の成熟度を示す。
ベルギー代表は次世代の守備陣を模索しており、モキオはその中心候補のひとりだ。プレミアリーグでの挑戦は、代表での地位を確固たるものにするための重要なステップとなる。
個人的見解
モキオの移籍はクラブの未来を形作る選択になる。ユナイテッドが彼を手に入れれば、守備の再建において大きな一歩を踏み出すことになるだろう。
しかし、現状のユナイテッドは出場機会の保証が難しく、ベンチに座る時間が長ければ彼の成長を阻害する危険性がある。
ニューカッスルはその点で優位に立つ。若手を積極的に起用する姿勢はモキオにとって理想的な環境であり、プレミアでの経験を積みながら代表での地位を固めることができる。
個人的には、彼がニューカッスルを選ぶ方がキャリア形成において賢明だと考える。ユナイテッドの名声は確かに魅力的だが、17歳の才能に必要なのは「試合に出ること」。その一点に尽きる。
