トッテナムで燻るマティス・テル、ローマが冬のローン獲得へ動く!?

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トッテナムで燻るマティス・テル、ローマが冬のローン獲得へ動く!? Tottenham Hotspur

ピッチに立つ時間が限られ、才能が閉ざされていく感覚ほど若手にとって苦しいものはない。フランスの俊英マティス・テルは、トッテナムでその現実に直面している。

2025年夏にバイエルンから完全移籍で加入し、3500万ユーロという巨額の投資を背負ったにもかかわらず、チャンピオンズリーグの登録から外れ、プレミアリーグではわずかな出場機会しか得られていない。

トーマス・フランク監督の下で期待された飛躍は訪れず、若きストライカーは苛立ちを募らせている。今、彼の名前はローマの補強リストの最上位に記され、冬の移籍市場で新たな舞台を得る可能性が急速に高まっていると、イタリアメディア『Gazzetta dello Sport』が報じた。

トッテナムでの苦闘と失望

テルがトッテナムに加入した際、クラブは未来を託す意思を明確に示した。だが、シーズン序盤からCLの登録外という扱いを受け、信頼の欠如が露わになった。

リーグ戦では途中出場が中心で、先発はわずか数試合。直近ではマンチェスター・ユナイテッド戦で途中投入され、終了間際に同点弾を決めるインパクトを残したが、それでもフランク監督の構想に食い込むには至っていない。

この扱いは選手本人にとって耐え難いものであり、クラブとの関係性に亀裂を生んでいる。若手に必要なのは継続的な出場機会と信頼だが、テルはその両方を欠いている。投資額に見合う活躍を示せないまま、クラブの忍耐も限界に近づいている。

ローマの補強戦略とテルへの期待

ASローマは今季、エヴァン・ファーガソンやアルテム・ドフビクといった前線の補強が期待外れに終わり、攻撃陣の再構築を迫られている。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、スピードと柔軟なポジショニングを持つテルを新たな武器として構想に組み込もうとしている。ローマは完全移籍ではなくローンでの獲得を目指しており、トッテナムもこの条件に応じる姿勢を見せている。

テルがセリエAに渡れば、戦術的に緻密な環境で新たな挑戦を受けることになる。ディバラといった既存の攻撃陣と組み合わせれば、ローマの前線は多様性を増し、テル自身も成長の機会を得られる。クラブにとっては即戦力と将来性を兼ね備えた補強となり、テルにとってはキャリアを再生する舞台となる。

トッテナムはテルを長期的な投資対象と見ており、完全移籍での放出は考えていない。しかし、現状のままでは選手の価値が下がり続ける危険がある。ローン移籍で経験を積ませ、市場価値を維持することはクラブにとって合理的な選択肢だ。

負傷者の復帰状況やCL再登録の可能性が移籍の鍵を握るが、現時点ではローマ行きが最も現実的なシナリオとなっている。

個人的見解

トッテナムでの停滞は彼の才能を曇らせているが、ローマでの挑戦はその輝きを取り戻す絶好の機会になる。セリエAの戦術的な要求は彼に新たな成長を促し、スピードと突破力を活かす場面も増えるだろう。

トッテナムにとっても、ローン移籍は投資を守るための最善策だ。ベンチに座らせ続けるよりも、ローマで活躍させて評価を高める方が得策である。

テルがイタリアで結果を残せば、クラブは再び彼を戦力として迎えるか、あるいは高額で売却する選択肢を持つことができる。2026年1月の移籍市場は、若きフランス人ストライカーの未来を決定づける舞台となる。