2024年夏にマンチェスター・ユナイテッドを離れ、3000万ユーロでナポリへ渡ったスコット・マクトミネイは、イタリアの地でキャリアを再構築した。2024/25シーズンにはセリエA優勝に大きく貢献し、バロンドール投票で18位にランクイン。2025/26シーズンも勢いは衰えず、ここまでリーグ戦で8得点4アシストを記録している。
彼のプレーは数字以上に鮮烈。中盤から前線へ駆け上がる推進力、空中戦での強さ、そして試合終盤に決定的なゴールを奪う勝負強さ。アントニオ・コンテの戦術において、彼は攻守両面を支える不可欠な存在となり、ナポリの攻撃と守備を同時に成立させる二面性を体現している。
そして、英『TEAMtalk』の最新情報によると、プレミアリーグからスコットランド代表MFに熱視線が注がれているようだ。アーセナルやマンチェスター・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパーに加えて、エヴァートンも獲得の可能性を探っっている。
プレミアリーグ4クラブの思惑
アーセナルはミケル・アルテタ監督の下で中盤のさらなる強化を狙っている。デクラン・ライスやマルティン・ウーデゴールが中心となる布陣に、マクトミネイの得点力とフィジカルを加えれば、攻撃の厚みは格段に増す。アルテタが描く「多層的な攻撃」の完成形に近づく可能性がある。
マンチェスター・ユナイテッドは、かつてのアカデミー卒業生を呼び戻す構想を抱いている。ルベン・アモリム監督が率いる新体制は、攻守両面で走り切れる中盤を求めており、マクトミネイの帰還はクラブ再建の象徴となり得る。
トッテナムはトーマス・フランクの攻撃的スタイルをさらに強化するため、マクトミネイをターゲットにしている。中盤の選択肢に不満を抱える指揮官にとって、彼の加入は即座に戦力アップにつながる。
エヴァートンは残留争いを脱するために、経験豊富で勝負強い選手を必要としている。マクトミネイのような存在が加われば、チームの雰囲気そのものを変える可能性がある。
ナポリの強硬姿勢と8000万ユーロの壁
ナポリは彼を2028年までの契約下に置き、クラブの未来を託している。8000万ユーロという強気な価格設定は、移籍を阻止するための牽制ではなく、彼の価値を正面から示すものだ。
セリエA優勝、バロンドールランクイン、そして得点力を備えた中盤という希少性を考えれば、この金額は過大ではない。
しかし、プレミアリーグの資金力を考えれば、アーセナルやユナイテッドが本気で動けば成立する可能性は十分にある。問題は、マクトミネイ自身がどのプロジェクトを選ぶかだ。彼は「完璧な計画」でなければ移籍を望まないとされており、単なる金銭的条件では動かない。
個人的見解
私はマクトミネイの移籍が2026年夏に現実化する可能性が高いと見ている。ナポリでの成功は彼の価値を押し上げたが、プレミアリーグの舞台で再び挑戦したいという欲求は強いはず。
特にユナイテッド復帰は、クラブ再建の象徴としてファンの心を揺さぶるだろう。アーセナルもタイトルを狙う上で彼の力を必要としており、両クラブの競り合いは熾烈になる。
一方で、ナポリ残留も魅力的。セリエAでさらなる伝説を築き、クラブの象徴として歴史に名を刻む道もある。ただし、プレミアリーグの熱狂と競争心が彼を呼び戻す可能性は高い。
私の見立てでは、ユナイテッドが提示する「帰還の物語」とアーセナルが描く「タイトルへの挑戦」が最も強い引力を持つ。マクトミネイの決断は、2026年のプレミアリーグを揺るがす一撃になるだろう。