ブンデスリーガのピッチで、まだ19歳の若者が観客を熱狂させている。サイード・エル・マラ。FCケルンのウィンガーは、2025/26シーズンの序盤戦で鮮烈な輝きを放ち、リヴァプール、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、そしてマンチェスター・シティまでもが獲得に動いている。
彼のプレーは数字以上に試合を変える力を持ち、移籍市場の中心人物へと押し上げた。今やケルンの若き才能は、プレミアリーグの未来を左右する存在となっている。
プレミアリーグの巨人が追うサイード・エル・マラ
英『Football Insider』の報道によれば、リヴァプール、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドはすでにスカウトを派遣し、エル・マラのプレーを直接チェックしている。
そして最新情報では、マンチェスター・シティも具体的な動きを見せているとされ、ペップ・グアルディオラが強い関心を抱いている。これは、彼がブンデスリーガの新星からヨーロッパの移籍市場を揺るがす存在へと変貌したことを示している。
今季のブンデスリーガでエル・マラは12試合で4ゴール3アシストを記録。数字以上に目を引くのは、試合の流れを変える突破力だ。左サイドから一気に加速し、相手ディフェンダーを置き去りにする姿は、かつてのリロイ・サネを彷彿とさせる。
さらに、ドイツU-21代表にも招集され、国際舞台での経験を積み始めている。このタイミングでのプレミアリーグからの関心は、キャリアの転機となる可能性が高い。
リヴァプール、チェルシーとユナイテッドの思惑
アルネ・スロット監督率いるリヴァプールは、前線の再構築を急いでいる。モハメド・サラーの契約延長問題が依然として不透明な中、右ウィングの後継者探しはクラブの最重要課題。エル・マラは左サイドを主戦場とするが、両足を使いこなし、右でもプレー可能とされる。その柔軟性は、リヴァプールの流動的な前線にフィットする可能性が高い。
さらに、リヴァプールは近年、若手を育てながら即戦力化する戦略を取っている。コーディ・ガクポの獲得に見られるように、ポテンシャルと即効性を兼ね備えた選手を求めている。
エル・マラの爆発力は、プレミアの激しいテンポに適応できる資質を感じさせる。さらに、彼の守備意識の高さも評価されており、前線からのプレスを重視するリヴァプールのスタイルに合致する。
チェルシーはエンツォ・マレスカ監督の下で積極的な補強を続けているが、2026年夏以降に大型補強を計画していると報じられている。それでも、エル・マラのような爆発的な才能には早期に動く可能性が残されている。彼の突破力は、チェルシーの攻撃に新たな変化をもたらすだろう。
一方、マンチェスター・ユナイテッドはルベン・アモリム監督の下で再建を進めている。クラブはウィングの強化を優先課題としており、エル・マラはその候補として理想的。アレハンドロ・ガルナチョやマーカス・ラッシュフォードらに見切りを付け、新たな時代に進むチームの後押しになり得る。
個人的な見解
エル・マラの移籍戦線は、今後数か月で大きく動く可能性が高い。マンチェスター・シティが具体的な動きを見せたことで、他クラブは一層のプレッシャーを受けるだろう。資金力と戦術的な魅力を兼ね備えるシティが本気で獲得に乗り出せば、競争は熾烈を極める。
私の見立てでは、エル・マラは即座にプレミアで主力を張るタイプではなく、1〜2年の適応期間を経て爆発する選手だ。だからこそ、育成と忍耐を持つクラブが彼を手にした場合、長期的に大きなリターンを得られるだろう。
リヴァプールがその環境を提供できるか、あるいはシティが即戦力として組み込むか。この選択が彼のキャリアを決定づける。いずれにせよ、サイード・エル・マラの名前は、2025/26シーズンの移籍市場で最も熱を帯びるキーワードのひとつになる。