セルティックの前田大然を巡る移籍話は、もはや憶測の域を超えて現実味を帯びている。この夏の移籍市場で退団を望んだものの、クラブが代役を確保できず残留となった彼は、シーズン序盤から心の迷いを抱えたままプレーしてきた。9月には本人が公に「新天地を望んでいる」と発言し、クラブとファンの間に緊張感が走った。
昨季、前田は公式戦で33得点12アシストを記録し、ブレンダン・ロジャーズの攻撃の中心として輝いた。その爆発的な走力と前線からの守備は、セルティックの戦術に欠かせない要素だった。
しかし今季は、夏の移籍騒動の影響もあり、ゴール前での冷静さを欠く場面が目立つ。ファンからは「心ここにあらず」と批判の声も上がり、本人の退団希望が現実味を増している。
エヴァートンを筆頭に広がる争奪戦
エヴァートンは、前田の獲得に強い関心を示している。デイヴィッド・モイーズ監督率いるチームは、得点力不足に悩まされており、前田のスピードと献身性を攻撃の起爆剤として期待している。推定移籍金は約1500万ポンドとされ、プレミアリーグの中堅クラブにとって手が届く範囲。
ただし、エヴァートンだけが狙っているわけではない。ブレントフォード、リーズ、ウェストハム、ウルヴズといった複数クラブが関心を寄せており、冬の市場では争奪戦が必至。特にブレントフォードは夏にも前田獲得を試みており、再び動きを見せる可能性が高い。プレミアリーグ残留を目指すクラブにとって、前田の走力と守備意識は即戦力として魅力的。
セルティックのジレンマと決断のタイミング
セルティックにとって前田は、攻撃の軸であると同時に守備のバランスを支える存在。彼を失えば、チーム全体の強度が落ちるのは明白。クラブは夏に代役を見つけられず残留を選んだが、今冬は現金化の好機と報じられている。契約は2027年まで残っているため、移籍金を確保できるタイミングとしても合理的。
しかし、代役確保の難しさは依然として残る。冬の市場は選択肢が限られ、即戦力を見つけるのは容易ではない。セルティックが前田を放出するか否かは、補強の成否に直結する。クラブが新たなストライカーを確保できなければ、前田の残留は続く可能性もある。
前田の最大の武器は、90分間途切れないスプリント能力だ。プレミアリーグの激しいテンポに適応できる数少ない選手であり、守備面でも前線からのプレスを徹底できる。エヴァートンのようなクラブに加入すれば、カウンターの起点として相手守備陣を切り裂く役割を担えるだろう。
一方で課題はフィニッシュの精度だ。昨季の得点数は圧巻だったが、今季は決定力に波がある。プレミアリーグで成功するには、周囲の選手との連携が不可欠となる。中盤から供給されるボールを確実に仕留める力を磨けるかが、彼のキャリアを左右する。
個人的な見解
前田大然の移籍話は、選手のキャリアにおける大きな転機だと感じる。
セルティックでの役割は確かに大きいが、本人が望む挑戦の場がプレミアリーグであるならば、その扉を開くべき時期が来ている。特にエヴァートンのようなクラブであれば、彼の走力と献身性は即戦力として評価されるはず。
ただし、セルティックにとって彼の存在は戦術的に欠かせない。代役を見つけられないまま放出すれば、チームバランスを崩す危険性がある。
私の見立てでは、セルティックが冬に前田を手放す可能性は五分五分。クラブが代役を確保できれば移籍は現実となり、そうでなければ残留が続くだろう。
いずれにせよ、前田のキャリアは今冬の決断によって大きく動く。彼が再び輝きを取り戻す舞台がどこになるのか、サッカーファンとして目が離せない。
