ロンドン北部のクラブが次なる一手を打とうとしている。プレミアリーグで上位を狙うトッテナム・ホットスパーは、守備の安定を求めてユヴェントスの副主将グレイソン・ブレーメルに照準を合わせた。
イタリアメディア『Football Italia』の報道によれば、彼こそが冬の移籍市場における最重要ターゲットであり、5000万ユーロを超える投資が現実味を帯びている。
トッテナムが狙うユヴェントスの鉄壁、グレイソン・ブレーメル
トッテナムは今季、攻撃面では一定の成果を見せているものの、守備の脆さが勝ち点を取りこぼす要因となっている。特にベン・デイヴィスの後継者問題はクラブ内部でも議論されており、そこで浮上したのがユヴェントスの副主将ブレーメルだ。
28歳のブラジル代表センターバックは、トリノからユヴェントスへ移籍後、セリエA屈指の安定感を誇る存在へと成長した。
空中戦の強さ、対人守備の鋭さ、そしてライン統率力は、プレミアリーグの激しいテンポにも適応できる資質を備えている。今季もセリエAで4試合に出場し、ユヴェントスの堅守を支えている。
契約は2028年まで残っており、ユヴェントスが簡単に手放す可能性は低い。しかし、トッテナムは12月に正式なコンタクトを取る予定とされ、5000万ユーロ以上のオファーが交渉の鍵を握る。この金額はクラブにとって大きな投資だが、守備の安定を得るための価値ある一手と見られている。
プレースタイルとトッテナムへの適合性
ブレーメルの最大の強みは、相手FWを封じ込めるマンマーク能力と、セットプレーでの空中戦支配力だ。ユヴェントスでは副主将としてリーダーシップを発揮し、守備陣を統率する役割を担っている。
トッテナムに加入すれば、クリスティアン・ロメロとのブラジル・アルゼンチン南米コンビが形成される可能性が高い。ロメロのアグレッシブな前進守備と、ブレーメルの冷静なカバーリングは相互補完関係にあり、プレミアリーグでも屈指のセンターバックペアとなり得る。
さらに、アンジェ・ポステコグルー監督が志向する前線からのプレス戦術において、後方の安定は不可欠であり、ブレーメルの加入は戦術的完成度を一段引き上げるだろう。
キャリアを振り返れば、サンパウロやアトレチコ・ミネイロで育ち、トリノで才能を開花させた後にユヴェントスで頂点を極めた。ブラジル代表としても5キャップを記録しており、国際舞台での経験もトッテナムにとって大きな財産となる。
個人的な見解
ブレーメル獲得は、トッテナムにとって守備の安定を取り戻すための最も現実的かつ大胆な選択肢だと感じる。
5000万ユーロという投資は決して小さくないが、プレミアリーグで上位を狙うクラブにとって、守備の脆さを放置することの方がはるかに大きなリスクとなる。ロメロとの相性だけでなく、チーム全体の精神的支柱としても機能するだろう。
一方で、ユヴェントスが副主将を簡単に手放すとは考えにくい。交渉は長期戦となり、トッテナムがどこまで資金を投じる覚悟を持てるかが試される。
もしこの移籍が実現すれば、スパーズの守備は大きく変貌し、プレミアリーグの勢力図にも影響を与える可能性がある。
個人的には、この挑戦こそがクラブの野心を示すものであり、ファンにとっても夢を膨らませる瞬間になると確信している。