ヨーロッパの移籍市場で最も注目を集めているのが、ボルシア・ドルトムントのストライカー、セール・ギラシの去就。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、そしてパリ・サンジェルマンが揃って獲得に動いていると英『Team Talk』が伝えており、来年1月の移籍市場は彼を中心に大きな熱気を帯びることになる。
ギラシは昨季加入したドルトムントで50試合38ゴールという圧倒的な数字を叩き出した。2年目の今シーズンもすでにブンデスリーガで5得点を積み上げている。29歳という年齢はストライカーとして脂が乗り切った時期であり、契約に設定された5000万ユーロの解除条項が現実的なターゲットにしている。
ユナイテッドが彼に強い関心を示す背景には、今夏加入したベンヤミン・シェシュコの不振と負傷離脱がある。大金を投じた大型補強が期待外れに終わりつつある中、即戦力としてゴールを量産できるギラシの存在はクラブにとって喉から手が出るほど欲しい補強だ。
一方、アーセナルはヴィクトル・ギョケレスが加入したものの、エースストライカーとしてはまだ定着しておらず、安定した得点源を求めている。アルテタの戦術において、前線でボールを収められるストライカーは不可欠であり、ギラシの存在は攻撃の安定性を高める。PSGも攻撃陣の再構築を視野に入れている。
プレースタイルと各クラブへの適合性
ギラシの魅力は、得点力だけにとどまらない。プレミアリーグ特有のフィジカルバトルに適応できる強靭さを備え、ポストプレーで味方を活かしつつ、自らもゴール前で冷静にフィニッシュを決める。シュトゥットガルト時代から見せてきた「背負ってからの反転シュート」は、相手DFにとって悪夢のような武器となる。
さらに、ギラシは空中戦にも強く、セットプレーからの得点も期待できる。ユナイテッドが現在抱える課題は、試合の流れを変える決定力不足。ギラシが加われば、攻撃のバリエーションが一気に広がり、クーニャやムベウモといったアタッカーとの相乗効果も生まれるだろう。
アーセナルにとっても、ギラシは即効性のある得点源として魅力的。アルテタの戦術において、前線でボールを収められるストライカーは不可欠であり、ギラシの存在は攻撃の安定性を高める。
移籍市場の行方とギラシの選択
移籍市場において、5000万ユーロという金額は決して小さくない。しかし、近年のプレミアリーグの資金力を考えれば、ユナイテッドやアーセナルにとっては十分に手が届く範囲。
PSGもまた、財政面で大きな制約はなく、資金力では群を抜いている。問題は、ギラシ自身がどのクラブを選ぶかだ。
ドルトムントでの成功を経て、次のステージを求めている。プレミアリーグの熱狂的な舞台か、パリでの華やかな挑戦か。あるいは、アーセナルの若きチームに加わり、新たな黄金期を築くのか。彼の選択は、来年の欧州サッカーの勢力図を大きく揺るがす可能性を秘めている。
個人的な見解
セール・ギラシの移籍は、クラブの補強戦略を根底から変える可能性を秘めている。
ユナイテッドにとっては、停滞する攻撃陣を蘇らせる即効薬となり得るし、アーセナルにとっては優勝争いを最後まで戦い抜くための安定装置となる。PSGにとっては、強力なウィンガー陣を活かす新たな旗手として期待されるだろう。
私自身は、ギラシのプレースタイルがプレミアリーグに最も適していると感じている。フィジカルと決定力を兼ね備えた彼は、ユナイテッドの攻撃を一段階引き上げる存在になれるはず。
だが、彼がどのクラブを選ぶにせよ、来年の移籍市場最大の注目株であることは間違いない。サッカーファンとして、この争奪戦の結末を見届けることに胸が高鳴る。