プレミアリーグ復帰を果たしたサンダーランドが、冬の移籍市場に向けて攻撃陣の補強を本格化させている。ターゲットはACミラン所属のメキシコ代表ストライカー、サンティアゴ・ヒメネスだ。
イタリアメディア『Calciomercato』の報道によれば、サンダーランドはすでに代理人と直接交渉を開始し、レンタル移籍に加えて一定条件下での買い取り義務を含む契約形態を模索している。
ミラン側もヒメネスの退団に前向きな姿勢を見せている。フェイエノールトから加入した2025年冬以降、公式戦30試合で7得点という数字は期待を下回り、今季セリエAでは9試合に出場しながら未だ無得点に終わっている。
クラブは投資額の回収を優先し、新たなセンターフォワード獲得の資金源とする構えだ。さらに、ヒメネスは足首の負傷で戦列を離れており、復帰時期が不透明な点も移籍の可能性を高めている。
一方で、同じくプレミアリーグのブレントフォードもヒメネスに関心を示している。イゴーリ・チアゴがリーグ戦で好調を維持しているものの、攻撃陣の厚みを増すために新たなストライカーを探している。
しかし、サンダーランドは交渉の先手を打ち、クラブの野心を示す形となった。昇格組としては驚異的なパフォーマンスを見せており、12試合を終えて7位につける快進撃を続けているが、得点力不足は課題。
ウィルソン・イシドール以外のストライカーがリーグ戦で複数得点を挙げられていない現状を考えれば、即戦力の補強は不可欠と言える。
ヒメネスのプレースタイルとサンダーランドへの適合性
サンティアゴ・ヒメネスは、フィジカルを活かしたポストプレーと、ペナルティエリア内での鋭い動きに定評がある。フェイエノールト時代にはエールディヴィジでゴールを量産し、欧州舞台でも存在感を示した。だがミランでは、戦術的な制約や負傷の影響もあり、持ち味を発揮できなかった。
サンダーランドの現行システムは、レジス・ル・ブリ監督の下で流動的な攻撃を志向している。中盤からの素早い展開とサイドからのクロスを武器にしているため、エリア内での決定力を持つヒメネスは理想的なターゲットマンとなり得る。さらに、献身的な守備参加は、昇格組として守備に追われる時間が長いサンダーランドにとって大きな助けとなるだろう。
ブレントフォードが誇るイゴーリ・チアゴの好調ぶりと比較すれば、サンダーランドの前線は明らかに迫力不足。ヒメネスが加入すれば、クラブの攻撃オプションは一気に厚みを増し、プレミア残留のみならず上位進出を狙う現実的な武器となる。
さらに、ヒメネスのキャリアを振り返れば、フェイエノールト時代に公式戦105試合で65得点を記録した爆発力は、プレミアリーグの激しいフィジカルとスピードにも適応できる可能性を示している。彼のプレースタイルは、サンダーランドが目指す攻撃的なフットボールに合致しており、負傷からの復帰後に再び輝きを取り戻す舞台として最適となるだろう。
個人的な見解
ヒメネスの獲得は、サンダーランドにとってクラブの未来を左右する大きな決断になるだろう。
昇格直後のクラブが、欧州の名門からストライカーを引き抜くという事実は、クラブの野心を示すものだ。ミランで苦しんだ彼にとっても、環境を変えることはキャリア再生の大きなチャンスとなる。
もちろん、プレミアリーグの激しいフィジカルとスピードに適応できるかは未知数。しかし、サンダーランドが提示する条件付き買い取り義務は、リスクを抑えつつ可能性を最大化する賢い選択だと感じる。
攻撃の停滞を打破するためには、こうした大胆な一手が必要だ。もしこの移籍が実現すれば、冬のマーケットで最も注目すべき補強のひとつになるだろう。
