リヴァプール、センターバック陣の若返りは続く?レオーニに続く「第2の矢」としてカーディフの19歳を指名か

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リヴァプール、センターバック陣の若返りは続く?レオーニに続く「第2の矢」としてカーディフの19歳を指名か Liverpool

マージーサイドの凍てつく風とは対照的に、水面下の移籍市場は熱を帯びている。過密日程が続く中、リバプールの強化部門はピッチ上の結果だけでなく、数年先のチームデザインという難解なパズルに取り組んでいる。

英『TEAMtalk』が報じた最新情報は、そのパズルの重要なピースを示唆しているかもしれない。リヴァプールが、カーディフ・シティに所属する19歳のセンターバック、ディラン・ローラーの獲得に向けて動き出しているという。

だが、この若き才能をリストアップしているのは我々だけではない。プレミアリーグのライバルであるアーセナルやチェルシー、そして「若手発掘の達人」であるドイツ・ブンデスリーガの強豪たちもまた、虎視眈々とその機会を窺っている。

ジョヴァンニ・レオーニ加入でも止まらない、最終ライン再編の動き

なぜ今、新たな若手センターバックなのか。その疑問に対する答えは、現在のリバプール守備陣の構成を見れば自ずと明らかになる。

今季イタリアからジョヴァンニ・レオーニという素晴らしい才能を迎え入れた。彼の加入は間違いなく守備陣に新たな風を吹き込み、将来への希望を抱かせるものだ。しかし、世界最高峰のリーグとCLを戦い抜くリバプールにおいて、「有望な若手が一人いる」だけでは十分とは言えない。

絶対的な主将フィルジル・ファン・ダイクは34歳を迎え、依然として神がかったパフォーマンスを見せているものの、彼の稼働を永遠のものとして計算することは無謀。イブラヒマ・コナテは世界屈指のストッパーだが、いまだに去就が不透明なまま。

つまり、現在のチームには、ファン・ダイクとコナテを支え、そして近い将来レオーニと切磋琢磨し、アンフィールドの最終ラインを10年単位で任せられる「もう一人の柱」が欠けている。ジョー・ゴメスの万能性は貴重だが、スペシャリストとしての若き才能を確保することは、クラブの持続可能性において急務である。

そこで浮上したのが、ディラン・ローラーだ。チャンピオンシップ(英2部)という、フィジカルと戦術が高度に拮抗するリーグで揉まれたこの19歳は、リヴァプールのスカウトが求める基準をクリアしている。

現代のセンターバックに必須のビルドアップ能力、広大なスペースを管理する走力、そして激しい空中戦を制する高さ。彼が持つポテンシャルは、レオーニとはまた異なるタイプの「剛」の才能として、補完関係を築ける可能性を秘めている。

欧州全土を巻き込む争奪戦、ドイツ勢の脅威を排除せよ

ディラン・ローラーとカーディフとの契約は2028年夏まで残されている。カーディフ側は、若き逸材を安売りするつもりは毛頭なく、むしろ多くのクラブが競合することで移籍金が高騰する入札競争を歓迎しているという。

競合相手は手強い。国内ではアーセナルとチェルシーが名を連ねている。特にアーセナルは、既存の強固な守備陣に満足することなく、常に将来のライバルとなり得る芽を摘もうと画策している。彼らのプロジェクトの魅力は、若手選手にとって無視できないファクターとなる。

だが、より警戒すべきは国外からの視線。報道によれば、バイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムント、RBライプツィヒといったドイツのビッグクラブもスカウトを派遣している。ジュード・ベリンガムやジェイドン・サンチョの成功例以降、イングランドの若手有望株が出場機会を求めてブンデスリーガへ渡るルートは完全に確立された。

特にドルトムントやライプツィヒは、完成前の才能を積極的にピッチに立たせ、市場価値を爆発的に高めるメソッドを持っている。カーディフにとっても、プレミアリーグのライバルに強化させるよりは、国外クラブへの放出の方がビジネスとして成立しやすい側面もあるだろう。

リヴァプールの強化責任者であるリチャード・ヒューズらは、この複雑な状況下で迅速な決断を迫られている。レオーニに続く才能を確保し、盤石のバックラインを構築できるか。それともドイツ勢に逸材をさらわれ、数年後に歯噛みすることになるか。2025年の冬、アンフィールドの未来を左右する駆け引きが始まろうとしている。

個人的な見解

ジョヴァンニ・レオーニの加入は素晴らしいニュースだったが、若手選手が真にワールドクラスへと成長するには、同世代の強力なライバルの存在が不可欠。かつてのキャラガーとヒーピア、あるいは現在のファン・ダイクとコナテのように、互いに高め合える関係性がチームを強くする。

ディラン・ローラーがそのポテンシャルを秘めていることは、ドイツの強豪たちがこぞって関心を示している事実が証明している。彼らが目をつけた若手は、数年後に手の届かないモンスターに変貌しているケースがあまりに多い。もしブンデスリーガでブレイクすれば、将来的にプレミアリーグに連れ戻すコストは天文学的な数字になるだろう。

移籍金は決して安くないだろうが、ファン・ダイクという最高のお手本が在籍している今こそ、投資すべきタイミングだ。レオーニと共に「ポスト・ファン・ダイク」の時代を背負う英国産の壁。その未来図を描くために、クラブはこの争奪戦を制しなければならない。