セリエAで台頭する20歳の新星ティアゴ・ガブリエルにブレントフォードとウェストハムが関心か!?

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わずか半年で市場価値は13倍へ?ウェストハムとブレントフォードがティアゴ・ガブリエル争奪戦を展開か Brentford

カルチョの国イタリアの南端、プーリア州レッチェで静かに、しかし確実に輝きを放ち始めた原石がいる。ほんの数ヶ月前までは無名の存在だった若者が、今や欧州屈指のスカウト網を持つクラブたちの視線を集める存在へと変貌を遂げた。

2025年1月にレッチェへと加入したばかりの20歳、ポルトガルU-21代表DFティアゴ・ガブリエルのことだ。わずかな期間でセリエAの舞台に適応し、そのポテンシャルの片鱗を見せつけた彼は、早くも次のステップへの扉を叩こうとしている。

イタリア国内での評価が急上昇する中、イングランド・プレミアリーグのクラブもまた、この若き才能の動向を見逃してはいなかった。

プレミアリーグのスカウト網にかかったレッチェの宝石

移籍市場の情報を専門とする海外メディア『Football Insider』に対し、ジャーナリストのピート・オルーク氏が語ったところによると、ブレントフォードがこのレッチェの若きディフェンダーに関心を寄せているクラブの一つとして名前が挙がっている。

キース・アンドリュース監督の下、データ分析を駆使した独自のスカウティングで知られるブレントフォードが目を付けたということは、ティアゴ・ガブリエルが持つスタッツやプレーモデルが、プレミアリーグの強度と現代的な戦術に適合する可能性が高いことを示唆する。

彼らは市場価値が暴騰する前の、まさに “ブレイク前夜” の才能を発掘することに長けており、今回の報道もその戦略の一環と捉えるのが自然の流れと言える。

さらにオルーク氏は、同じくロンドンに拠点を置くウェストハム・ユナイテッドもまた、このポルトガル人DFをリストアップしていることを認めている。ウェストハムは守備陣の再編と若返りが急務であり、即戦力でありながら将来的な転売益も見込める若手選手の獲得は理にかなった動きとなる。

フィジカルと激しさが求められるプレミアリーグにおいて、イタリアで守備のイロハを叩き込まれた選手への需要は尽きることがない。特にティアゴ・ガブリエルのように、加入から短期間でトップリーグの環境に順応できる適応能力の高さは、異国への移籍におけるリスクを軽減する要素として高く評価されるはず。

ティアゴ・ガブリエルは2025年1月の加入以降、今シーズンのセリエAですでに14試合に出場し、1ゴールを記録している。守備の堅いイタリアにおいて、20歳の若者がシーズン途中の加入から定位置争いに食い込み、結果を残している事実は重い。

現在の市場価値は300万ユーロと試算されているが、この数字はあくまで現時点での推定値に過ぎない。プレミアリーグの資金力が介入すれば、実際の取引額がこの数倍に跳ね上がることは想像に難くないだろう。契約は2027年6月まで残っているものの、レッチェとしては高値で売却できるチャンスがあれば、交渉の席に着く可能性は十分にある。

ユベントスがリードする争奪戦とティアゴ・ガブリエルの市場価値

しかし、この争奪戦において現在ポールポジションに立っているのは、イングランドのクラブではないようだ。イタリア国内の報道として、ユベントスがティアゴ・ガブリエル獲得の最有力候補であると指摘している。

セリエAの盟主であるユベントスは、国内の有望な若手を吸い上げることに定評があり、彼らにとってティアゴ・ガブリエルは、将来のディフェンスラインを支える重要なピースになり得る存在だ。イタリア国内での移籍であれば、言語や文化、リーグへの適応という面での障壁はほぼゼロに等しく、選手サイドにとっても魅力的な選択肢となることは間違いない。

それでも、ブレントフォードやウェストハムが獲得を諦める理由にはならない。特にブレントフォードのようなクラブは、選手個人の成長プランや出場機会の確保といった面で、ビッグクラブにはない魅力を提示することができる。

ユベントスに行けば分厚い選手層に阻まれ、レンタル生活を余儀なくされるリスクもあるが、中堅クラブであれば即座に主戦力として扱われる可能性が高いからだ。ティアゴ・ガブリエル自身が、自身のキャリア形成において何を優先するか、名声か、それとも確実な出場機会かによって、この移籍劇の結末は大きく変わってくるだろう。

ポルトガルU-21代表としての経歴も、彼の実力を裏付ける要素の一つ。近年のポルトガルは、ルベン・ディアスやジョアン・カンセロといったワールドクラスのディフェンダーを次々と輩出しており、ティアゴ・ガブリエルもその系譜に連なる才能を持っている。

足元の技術に優れ、ビルドアップにも貢献できる現代的なディフェンダーである彼は、戦術的な要求が高いイタリアで守備の規律を学び、さらに完成度を高めている最中。プレミアリーグのクラブが熱視線を送るのも、単なる守備要員としてではなく、攻撃の起点となれるモダンなセンターバック、あるいはサイドバックとしての資質を見込んでのことだろう。

300万ユーロという現在の市場価値は、彼のポテンシャルを考えればバーゲン価格と言えるかもしれない。だが、ユベントスという巨人が関与している以上、獲得競争は一筋縄ではいかない。ブレントフォードやウェストハムが、資金力とプレミアリーグという舞台の魅力を武器に、どこまでイタリアの巨人に迫れるか。

あるいは、レッチェが契約期間を盾に、さらなる移籍金の吊り上げを狙うのか。来夏のマーケットが本格化するにつれ、この20歳の若者を巡る駆け引きは、より一層熱を帯びていくことになるはずだ。新たなスター候補の誕生と、その去就を固唾を飲んで見守る必要がある。

個人的な見解

ティアゴ・ガブリエルにとって最も賢明な選択は、ユベントスのようなメガクラブへの性急なステップアップではなく、ブレントフォードのような明確なメソッドを持ったクラブでの挑戦だと感じる。

ユベントスへ行けば、確かに「ユーベの選手」というブランドは手に入るが、過去にどれだけの若手がトリノのベンチで才能を腐らせてきたかを忘れてはならない。

一方でブレントフォードは、選手を適正な市場価値まで育て上げることにかけては欧州でもトップクラスの実績がある。プレミアリーグという最高峰の強度が求められるリーグで、継続的に試合に出場し、揉まれることこそが、彼の潜在能力を最大限に開花させる近道であると確信している。

また、ウェストハムに関しても興味深い選択肢ではあるが、ロペテギ以降の不安定なチーム状況を鑑みると、若手が安心して成長できる環境かどうかには疑問符がつく。

その点、組織的な基盤が盤石なブレントフォードか、あるいは慣れ親しんだイタリアでのステップアップかという二択になるのではないか。

いずれにせよ、わずか半年でこれだけの評価を得た彼の才能は本物だ。プレミアリーグのファンとしては、彼がイングランドのピッチで、屈強なストライカーたちと対峙する姿をぜひ見てみたいものである。彼がどのユニフォームを選ぶにせよ、数年後には欧州を代表するディフェンダーの一人に数えられている未来が、私にははっきりと見えるのだ。