契約延長からわずか8ヶ月、ガラタサライが狙うモハメド・サラーとフィルジル・ファンダイクのダブル獲り!?

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契約延長からわずか8ヶ月、ガラタサライが狙うモハメド・サラーとフィルジル・ファンダイクのダブル獲り!? Liverpool

アンフィールドの上空には重苦しい鉛色の雲が垂れ込めている。それは単に英国の冬の天候のせいではない。我々リヴァプールサポーターが最も恐れていた事態、あるいは「あり得ない」と高を括っていた悪夢が、現実のものとして目の前に突きつけられているからだ。

わずか8ヶ月前、4月の春風と共にモハメド・サラーとフィルジル・ファン・ダイクが2027年までの契約延長にサインした時、誰がこの結末を予想できただろうか。だが今、フットボールの世界における「永遠」がいかに脆いものであるかを、我々は痛感させられている。

ボスポラス海峡の向こう側、熱狂の都イスタンブールから届いたニュースは、リヴァプールというクラブが直面している痛みを伴う変革期を残酷なまでに浮き彫りにした。ガラタサライが、アンフィールドの象徴であるこの二人に対し、同時獲得という驚天動地のオファーを準備していると現地メディア『Fanatik』が伝えた。

「聖域」は消滅した――サラーのインテル戦メンバー外が意味する亀裂

事態は急転直下で動いた。チャンピオンズリーグ、インテルとの重要な一戦に向けた遠征メンバーリストに、エジプトの王の名前はなかった。怪我ではない。アルネ・スロット監督とクラブ首脳陣による規律上の決定。

リーズ・ユナイテッド戦での3-3のドロー後、サラーがメディアに向けて放った「誰かが私を引きずり降ろそうとしている」という爆弾発言は、クラブ内のデリケートな均衡を完全に破壊した。

この隙を見逃さなかったのが、長年サラーに焦がれてきたガラタサライ。彼らは33歳となったスーパースターに対し、即座に救いの手とも言えるオファーを用意した。ガラタサライのサポーターはSNS上で凄まじい熱量のラブコールを送っている。

今季、ラムズ・パークでの直接対決でサラー自身が肌で感じたあの狂気的なまでの情熱は、現在の冷え切ったマージーサイドの関係性とは対照的に、彼の心に深く突き刺さっているはず。

「12月以降に去るかもしれない」というサラーの言葉は、もはや交渉の駆け引きではない。スロット監督の戦術的規律と、サラーの自由奔放な創造性が衝突した結果、かつてアンフィールドを熱狂させた絶対的な聖域は消滅した。

ガラタサライは、リヴァプールが抱えるこの時限爆弾の処理を引き受ける代償として、世界最高のウイングを手に入れようとしている。

ファン・ダイクもターゲット、オカン・ブルクが描く「鉄のカーテン」

衝撃はサラーだけでは終わらない。ガラタサライの野心は、リヴァプールの魂であるキャプテン、フィルジル・ファン・ダイクにまで及んでいる。34歳を迎えたオランダの巨塔に対し、イスタンブールの名門は金庫の鍵を開ける準備を整えた。

この大胆な計画を主導するのは、ガラタサライの指揮官オカン・ブルク。彼には明確な勝算がある。現在チームの守備を支える元トッテナムのダビンソン・サンチェスとファン・ダイクを組ませ、CLの決勝トーナメントを戦い抜くための “鉄のカーテン” を完成させることだ。

サンチェスはガラタサライで完全に復活し、2029年まで契約を延長したばかり。その相棒として、経験と統率力を兼ね備えたファン・ダイク以上の適任者はいない。

ファン・ダイク自身もまた、今季はパフォーマンスの低下を指摘され、クラブが後釜探しに奔走している事実を知っている。4月に契約を延長した際の「アンフィールドで引退する」という誓いは、厳しいプロの世界の現実によって揺らいでいる。

親しい知人に漏らしたとされる退団の意思は、彼が自身のキャリアの最後を、ベンチで衰えを待つのではなく、必要とされる場所で燃焼させたいと願っている証左だろう。

ガラタサライにとって、このダブル獲得はただの戦力補強ではない。欧州フットボールの勢力図を書き換える一大プロジェクトとなる。リヴァプールにとって、これは一つの時代の完全な終焉を意味する。

クロップの遺産であった二人の巨頭が、同時にチームを去る。それも、契約延長から1年も経たずに。この事実は、今のリヴァプールがいかに不安定な過渡期にあるかを、残酷なまでに証明している。

個人的な見解

私の心に去来したのは怒りでも悲しみでもなく、ある種の「無常観」だった。サラーとファン・ダイク。彼らはリバプールの近現代史そのものであり、我々に数え切れないほどの歓喜をもたらしてくれた。

だが、2025年の現実は非情。スロット監督が目指す組織的なプレッシングサッカーにおいて、33歳のサラーと34歳のファン・ダイクが「絶対的な解」ではなくなりつつあることは、ここ数ヶ月の試合を見れば明らかだったからだ。

それでも、彼らがトルコへ去る姿を想像するのは胸が痛む。特にサラーのインテル戦メンバー外という別れ方は、あまりにも寂しすぎる。功労者には、それにふさわしい花道があるべきだ。しかし、もし彼らがガラタサライという新たな熱狂の地で、再びその瞳に闘志を宿すことができるなら、それもまたフットボールの美しさなのかもしれない。

リバプールは今、過去の栄光にしがみつくのか、それとも痛みを伴ってでも未来へ進むのか、究極の決断を迫られている。2027年までの契約という紙切れよりも重い「現実」が、この冬、動き出そうとしている。